カトリック シスターになったんじゃなかったの?

大人になってから何らかの宗教に入信すると、「宗教に走った」と言われることがあります。
特に、新興宗教の場合は「宗教に走った」イメージが強いせいか、私が洗礼を受けた宗教がカトリックだと知る前の知人達は「何かの新興宗教に走った」と思っていたようです。
洗礼を受ける数年前、とても大変な出来事があったので、そう思われても無理はない……、という状況ではありましたが。

シスターになるのかと思っていた

私がカトリックの洗礼を受ける前に、それを知っていた知人は、つい最近まで私がシスターになったと思っていたようです。
久しぶりに会った時に、「あれっ?普通の服着てるけど、シスターになったんじゃなかったの?」と言った時は、ちょっとびっくりしました。
どうやら、映画の中で、「人生色々とあった女性がシスターになる」というシーンを「大人になってから洗礼を受ける=修道女になる」というイメージが、彼女の中で出来上がっていたようです。

確かに、ちょっと昔の洋画に、人生の悲劇を経験した女性が修道院の門を叩き、シスターになるという場面があったような気がします。

けれど、そんなに簡単にシスターにはなれません。

シスターになるには年齢制限がある

色々な修道会がありますが、殆どの修道会ではシスターになる事が出来る年齢に制限を設けているようです。修道会によって多少の違いはありますが、30〜35歳くらいまでのところが多いようです。
年齢制限を設けている理由は、修道生活(共同生活)になじむことが出来る年齢がそれくらいまでだから、だそうです。

シスターになるためには修道会に入らなければなりませんが、入ったからすぐにシスターになれるわけでもありません。私がシスターから、ちょこっと聞いた話では、何年かの修練期間を経て、「一生シスターでいます」という終生誓願(誓い)をして、シスターになれると言うことです。

なので、知人が思うほど簡単に、シスターにはなれないわけです。

今の私があとン十年若かったら、シスターになるという選択肢もあったかもしれません。けれど、現実の私はシスターになるには年を取りすぎていますし、色々な事を経験しすぎています。
もし、年齢制限がない修道会があったとしても、今の私が修道者になれるとは、とても思えません。

「大いなる沈黙へ」の修道士達の姿に憧れはしますが、煩悩まみれ(カトリックだけど仏教用語)の私は、神様へ祈りを捧げるどころか、文句や泣き言ばかりを言っているように思います。この点で、もう修道者向きではないのは明らかです。

それを知人に話すと、「……だよねぇ、あなたじゃ、どう考えてもモグリのシスターだよね」と。
その表現が、あまりにぴったりで、思わず笑ってしまいました。