カトリックのクリスマス、ニッポンのクリスマス
今日から待降節、教会は新しい年の始まりです。教会にも大きなツリーが飾られ、アドベントキャンドルや馬小屋の飾りを見ながら、1年って早いなぁ……、と思ってしまいました。クリスマスというとキラキラしたイメージですが、待降節の典礼色は償いや回心、節制、待つことを表す色、紫です。四旬節と同じ色ですが、四旬節が「回心や悔い改め」を表すのに対して、待降節は「慎み深く神に心を向け、主の降誕を静かに待つ心」を表しているようです。聖歌も四旬節と同じく、「Gloria(栄光の賛歌)」も歌われません。
待降節はキラキラ気分とはちょっと違う
街中は、クリスマスの飾り付けでキラキラしています。店のディスプレイやショーウィンドウもクリスマス仕様になっています。クリスマスのイベントやディナーなどの広告もよく目にします。
11月の半ば頃から、街の中はだんだんとクリスマス仕様になって来ていたのですが、私は何だか微妙な気分になっていました。待降節の前、教会がクリスマスの準備を始める前から、街中はすでにクリスマス気分でキラキラしているのです。
……何かが違うようなぁ。
あちらこちらで、大きなクリスマスツリーやリースが飾られ、皆がこんなにクリスマスには浮かれるのに、なぜ御釈迦様の誕生日「花祭り」は大々的に祝われないんだろう?と疑問になります。
仏教徒を自称する人がほとんどなのに、4月8日の花祭り(灌仏会)は知らないのです。
お寺の友人に聞いてみたところ「キラキラしてないし、ロマンチックじゃないからじゃない?」という返答。
どうやら、仏像に甘茶をかけてお参りするのは「地味でロマンチックじゃない」ようです。商業的にもそれをネタに商売をする余地があまりないのかもしれません。
もういくつ寝るとクリスマス?
クリスマスグッズのひとつに「アドベントカレンダー」というものがあります。11月に入ると、色々なメーカーやブランドが限定商品として、アドベントカレンダーを発売しています。毎年、それを楽しみに買う人も多く、「可愛いから」「カウントダウンして気分を盛り上げる」という理由で、買い求めるようです。
本来は「主の降誕を待つ」カレンダーなのですが、日本では「もういくつ寝るとお正月」的なグッズとして売られています。
多くの日本人にとって、クリスマスは「年末の楽しいイベント」で、宗教的な意味を持ってはいないので、それはそれで良いと思います。
ただ、「サンタさんがくるまであと何日?」というキャッチコピーを見かけた時は、「主役はサンタさんかぁ……😅 」と複雑な気分になってしまったのは、私がカトリックだからでしょう。
アドベントキャンドルも?
クリスマスディスプレイに力を入れている人は、飾り付けたアドベントキャンドルも用意するそうです。
アドベントキャンドルは4本あり、待降節の4週間を表しています。待降節の日曜日ごとに1本づつ灯します。教会では主日のミサの時に灯しています。
このキャンドルには決められた色や意味があり、キャンドルの色は紫で1週目は希望、2週目は平和、3週目は喜び、4週目は愛を意味するそうです。3週目のキャンドルのみピンク(喜びのバラ色)を使う場合もあるようです。私の所属教会のアドベントキャンドルは、全部白かったような気がするので、特にその色を使わなければならないということではなさそうです。
それぞれのキャンドルには別名があり、それぞれ「預言のキャンドル」「天使のキャンドル」「羊飼いのキャンドル」「ベツレヘムのキャンドル」とも言われています。
それが、「ロマンチックで素敵」だと感じるようで、「クリスマス気分が盛り上がる」のだそうです。
巷のクリスマスのディスプレイは、クリスマスが終われば、翌日にはお正月ディスプレに変わってしまいますが、教会では1月6日「主の公現」が終わってから片付けます。(「主の洗礼」の祝日まで飾るところもあるようです)
頑張って素敵なクリスマスデコレーションをした方は、今年は1月6日あたりまで楽しんでみるのもありかと思います ✨