カトリック 司教様の帽子に釘付けになる

カトリックの聖職者には、「階級」があります。トップはもちろんローマ教皇で、大司教、司教、司祭、助祭と続きます。ヴァティカンには枢機卿というポジションもありますが、聖職者の階級とは意味が異なるものだそうです。(枢機卿は原則、司教の中から選ばれ、教皇の最高顧問として重要案件など教皇の補佐をするのだとか……)
さて、私の所属教会ではクリスマスやイースター、聖霊降臨などの大きな祝日のミサは、司教様が司式をすることがほとんどです。年に数回の司教司式のミサで私がずっと気になっていることがあります。それは、司教様の被っている帽子です。

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帽子の中に帽子?司教様の帽子

洗礼を受ける前に、初めて参加した司教司式のミサで、大きな帽子をかぶり、杖を持って入堂する司教様をみた時、「うわぁ、ドラクエみたいだ〜」なんて思ってしまいました。入堂後、司教様はその「ドラクエ」みたいな帽子を取るのですが、その帽子の中には、また小さな帽子をかぶっていました。

それを見た時、「なぜ帽子のなかに帽子?」と私の目は釘付けになってしまいました。

そして、司教様がとった「ドラクエ」みたいな帽子を、侍者の人が受け取り、パカっと折りたたんでいます。「お、折りたたみ式?」と、二度目の釘付け状態。
ミサ中も、司教様はかぶっている小さな帽子をとったり、かぶったり……。奉献文を唱える時に、その小さな帽子を取り、聖体拝領が終わるとまたかぶっていたような気がします。
まだ教会に通い始めて日の浅い私は、好奇心がくすぐられっぱなしのミサになりました。

ミトラとカロッタ

司教様のかぶっている帽子はミトラ(司教冠)と言い、カトリック教会、聖公会、正教会で司教(聖公会と正教会では主教)が典礼時にかぶる「冠」なのだそうです。カトリックではミトラの下に小さな帽子をかぶります。その小さな半球型の帽子は、ズケット(イタリア語)またはカロッタ(ラテン語)と言います。
そして、手に持っていた杖はバクルス(牧杖)と言い、司牧者として、その教区の信徒を牧することを表しているそうです。それは羊飼いの杖に似せて、先端がゼンマイのように曲がっています。(これがまたドラクエっぽい…)

ミトラを着用したローマ教皇ベネディクト16世

– wikimedia より

カロッタ

– wikimedia より

高位聖職者が着用するカロッタ

カロッタが使われ始めたのは13世紀頃で、最初はミトラ(司教冠)の代わりに着用されていました。それがだんだんとミトラをかぶる時に、その下に着用するようになり、その後ミトラをかぶっている時以外にも着用されるようになりました。(もともとは、司祭に叙階する時に髪を剃った部分を覆うためのものだったようです)カロッタの色で階級を示し、教皇は白、枢機卿は赤、司教は赤紫、大修道院長は黒色で、1968年にパウロ6世によって、高位聖職者はカロッタを着用するよう定められました。

結局のところ、なぜミトラの中にかロッタを着けるのかは謎のままです。
それにしても、あの小さな帽子、落ちないのかしら?といつも思います。何か特殊な構造になっているのかと気になってしまいます。

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