ロザリオ制作　十字架の種類

2017年7月13日

十字架は、幾何学図形「十字」という図形のひとつです。この十字は古代から存在するシンボルの一つで、世界中の多くの場所で使われています。
それは、キリスト教の十字架と言うだけでなく、太陽のシンボル、南十字星、方位などいろいろなシンボルとして使われていて、多くの国が国旗のデザインに十字を取り入れています。
十字の種類は少し調べてみたところ50以上のパターンがありました。

ロザリオに使われる十字架

ロザリオに使う十字架は、たいてい「ラテン十字」という縦が長く、横が短いタイプのものが定番です。

このラテン十字にイエス様のボディがついたものが、ロザリオには多く使われています。もちろん、イエス様がついていない十字架も使われ、それには聖霊の鳩がついていたり、花があしらわれていたり、美しいものがたくさんあります。

他にも色々な種類の十字架がありますが、ロザリオに使われる十字架は「ギリシャ十字」があり、この「ラテン十字」と「ギリシャ十字」がキリスト教で最も多く用いられる十字です。ギリシャ十字は、スイスの国旗や赤十字の元になった十字です。

ラテン十字	ローマ十字とも言います。キリスト教では定番の十字です。
ギリシャ十字	アームが等しい長さで、それぞれの中央で直角に交差する。スイスの国旗や赤十字の元となった十字です。
エルサレム十字	十字軍の十字としても知られています。
タウ十字	フランシスコ会が使用した十字で、聖フランシスコのタウには、三つの神への誓い（清貧、貞潔、従順）を表した三つの結び目のついた紐があります。
サン・ダミアーノ	イタリア・アシジのサン・ダミアーノ修道院の十字架を模して作られたものです。アシジのフランシスコが、サン・ダミアーノ教会の十字架から「早く言って私の壊れかけた家を立て直しなさい」とお告げを受けました。

私はまだ見たことがないのですが、「聖ペトロ十字」というものがあります。これは「逆さ十字」とも言い、ラテン十字を上下反転させた形になっています。ペトロは自分がイエス様と同じ方法で死ぬのは恐れ多いと逆さまで磔にされたことから、これを聖ペトロの十字架と言います。
この逆さ十字を「悪魔崇拝のシンボル」と解釈されているときがありますが、それは大きな誤解です 😅

十字架についている「INRI」の文字の意味は？

カトリック教会の十字架はイエス様が磔になっていて、その頭上に「INRI」という文字が記されています。これは、ラテン語の「IESUS NAZARENUS REX IUDAEORUM」の頭字語で「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」と言う意味です。磔刑の時に、十字架の上に掲げられた「自らを神の子であり、ユダヤ人の王と称して神を冒涜した」と言う罪状でした。当時の磔刑では、処刑場に引かれて行く罪人の首に罪状を書いた板がぶら下げられ、それは磔時に十字架の上に掛けられました。

ベネディクトの十字架

十字架には「ベネディクトの十字架」というものがあります。かたちはラテン十字だったり、ギリシャ十字だったりします。

ベネディクトは、西方教会における修道制度の創設者と言われる聖人で、イタリアのモンテ・カッシーノに修道院を設立し、「ベネディクトの規則」という戒律を定めました。

ベネディクトの十字架には、中央（交差する部分）には聖ベネディクトのメダイがはめ込まれていて、そのメダイには十字架のしるしの上に祝福の言葉と悪霊を妨げる言葉の頭文字が記されています。

Crux Sancti Patris Benedict(聖父ベネディクトの十字架）
Crux Sacra Sit Mihi Lux(聖なる十字架がわが光となるように）
Non　Draco Sit Mihi Dux(竜がわが導き手とならぬように）
Vade Retro Satana(悪魔よ、退け）
Sunt Mala Quae Libas(空しい事を決してそそのかすな）
Ipse Venena Bibas(おまえ自らその毒を飲むように）