心を癒される詩 "Footprints" あしあと
私が洗礼を受ける前、ミサの中のお説教で神父様がこの詩について話された時、私はとても心を動かされました。心にしみて、涙がでそうになりました。それ以来、辛い時にこの詩を読むと、「なんとか頑張ろう」と思うことが出来ました。
その後、洗礼を受けた時に、同じ教会に所属する同級生が洗礼のお祝いに贈ってくれたのが、美しい写真と一緒にこの詩が印刷された小さな本でした。
あしあと
あしあと
ある夜、わたしは夢を見た。
わたしは、主とともに、なぎさを歩いていた。
暗い夜空に、これまでのわたしの人生が映し出された。
どの光景にも、砂の上にふたりのあしあとが残されていた。
ひとつはわたしのあしあと、もう一つは主のあしあとであった。これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、
わたしは、砂の上のあしあとに目を留めた。
そこには一つのあしあとしかなかった。わたしの人生でいちばんつらく、悲しい時だった。
このことがいつもわたしの心を乱していたので、
わたしはその悩みについて主にお尋ねした。
「主よ。わたしがあなたに従うと決心したとき、
あなたは、すべての道において、わたしとともに歩み、
わたしと語り合ってくださると約束されました。
それなのに、わたしの人生のいちばんつらい時、
ひとりのあしあとしかなかったのです。
いちばんあなたを必要としたときに、
あなたが、なぜ、わたしを捨てられたのか、
わたしにはわかりません。」主は、ささやかれた。
「わたしの大切な子よ。
わたしは、あなたを愛している。あなたを決して捨てたりはしない。
ましてや、苦しみや試みの時に。
あしあとがひとつだったとき、
わたしはあなたを背負って歩いていた。」-マーガレット・パワーズ作
英語原文
Footprints
One night I dreamed a dream.
I was walking along the beach with my Lord. Across the dark sky flashed scenes from my life. For each scene, I noticed two sets of footprints in the sand, one belonging to me and one to my Lord.When the last scene of my life shot before me I looked back at the footprints in the sand. There was only one set of footprints. I realized that this was at the lowest and saddest times of my life. This always bothered me and I questioned the Lord about my dilemma.
"Lord, You told me when I decided to follow You, You would walk and talk with me all the way. But I'm aware that during the most troublesome times of my life there is only one set of footprints. I just don't understand why, when I need You most, You leave me."
He whispered, "My precious child, I love you and will never leave you, never, ever, during your trials and testings. When you saw only one set of footprints, It was then that I carried you.”
― Margaret Fishback Powers
人生の試練の時に
この詩は、カナダに住むアメリカ人女性、マーガレット・F・パワーズさんが書いたものですが、長い間作者不明とされていました。しかし、思いがけないところからこれが彼女の書いた詩と判明します。
彼女の夫と娘が水難事故に遭い、自分も腕を折るけがをして入院している時に、看護婦さんが彼女の夫を励ますために、この詩を読みました。読み終わった彼女が作者不明だと言うと、彼は「この作者を良く知っています。私の妻です」と言ったのです。
1964年に書かれたこの詩は、引っ越しの時に行方不明になってしまった荷物に入っていて、それが誰かの手に渡り「作者不明」として発表され、有名になりました。
それが、作者であるマーガレットさんの夫を励ますと言うかたちで戻ってきたのです。
生きていると、誰にでも悩みや苦しみ、悲しみがやってくることがあります。そんな時、この詩は心の支えになってくれます。