カトリック 教会の1年「典礼暦」(教会暦)

聖霊降臨も終わり、カトリック教会では、しばらくビッグイベント(大きな祝日)のない静かな時期がやってきました。「年間」と呼ばれる時期です。はて、この年間ってどうやって数えるんだっけ……?と思ったので、教会の1年間を、思い出しながらまとめてみました。
カトリック教会の1年は、待降節から始まり、「王であるキリスト」の祝日で終わります。これを「典礼暦」や「教会暦」と言い、キリストの生涯を1年間で記念しています。教会のカレンダーと言える典礼暦は、普通のカレンダーのように固定の日からスタートするのではなく、毎年スタートする日にちは違います。そして、カトリック教会には色々な祝日がありますが、固定のものと毎年移動するものがあります。

カトリック教会の1年 教会暦(典礼暦)

教会の1年は、大きな2つので出来事、神様が人の姿になってこの世に生まれてきた「降誕」と、「受難と死からの復活」を中心に1年の周期が考えられています。この典礼歴に従って、朗読箇所や祭服の色が決まっています。

1年の始まり、待降節は降誕(クリスマス)の約4週間前の日曜日から始まります。今年は2016年11月27日(日)から始まりました。カトリック教会の来年は2017年12月3日(日)から始まります。

教会カレンダー 典礼暦

  • 待降節
    クリスマスを準備する約4週間の期間で、典礼暦の始まりです。
  • 降誕節
    「主の降誕」から「主の公現」までの期間です。
  • 年間
    この時期を「七旬節」(Dominica in Septuagesima)とも言います。「前復活祭主日」が始まる日で、「復活祭前70日」の意味ですが、実際には63日前の祝日。
    この「年間」といわれる日曜日(主日)は通常 33〜34 あり、それぞれ「年間第○主日」といわれます。年間主日は四旬節に入るといったん中断します。
  • 四旬節
    復活祭を準備する時期で、復活祭の46日前の「灰の水曜日」から始まって「聖木曜日」に終わります。
  • 復活祭
    イエス・キリストが十字架上でなくなってから三日目に復活したことを記念したキリスト教で、最も大きな祝日です。移動祝日といって日付が固定していない祝日で、通常は春分の日のあとの、最初の最も満月に近い日曜日が復活祭となります。
  • 復活節
    復活祭から49日の間です。「主の昇天」と「聖霊降臨」の祝日があります。「主の昇天」は復活祭から40日後、「聖霊降臨」はキリスト教会が誕生した日と言われています。
  • 年間
    中断していた「年間」の時期が再開します。年間「王であるキリスト」の主日で終了し、降誕節からまた新しい典礼暦が始まります。

聖書と典礼 A年、B年、C年って?

ミサの時に使う「聖書と典礼」はABC年の3種類あります。旧約、使徒書(新約)福音書が3年でそれぞれ主に朗読される福音書が決まっていて、A年にはマタイ、B年にはマルコ、C年にはルカが朗読されます。
このABCは、ただ順番に回っているわけではなく、西暦年号を3で割って、割り切れた場合はC年、余りが1ならA年、2ならB年というように決まります。例えば、今年は2017年、3で割ると672で余りが1なのでA年です。
この周期は、西暦紀元1年、イエス・キリストがこの世に生を受けた年(1)をA年として定められたようです。