カトリック初心者 代母を頼まれる1
私が洗礼を受けて1年ほど経った春のことでした。ミサが終わった後、仲良くさせて頂いていたシスターに声をかけられました。「お願いがあるんだけど」と言うので、またロザリオの修理かしら?と私は思いました。
ロザリオではなく、代母をお願いされる
イタリア人のシスターは、私の腕を取ると「今度の復活祭で洗礼を受ける方がいるんだけど」と言いました。お祝い用のロザリオを作って欲しいと言うことかしら〜?と思っていると「あのね、代母をお願いしたいの」とシスター。
えっ?代母?
私は洗礼を受けてまだ1年ほど、知らないことの方が多く、代母などとんでもない話です。
代母は、洗礼式に立ち会い、神様に対する契約の証となる役割を持ちます。そして、洗礼後も教会生活での親として、信仰面でのサポートをする役割があります。
実際のところ、現在のカトリック教会では、代母は「形だけ」のものとなってしまっていますが、それでも「カトリック初心者」の私に代母は責任が重く感じられました。
シスターは「大丈夫よ。洗礼を受けられる方はとっても良い方で、あなたと気が合うと思うの」と満面の笑みでおっしゃるではないですか。私は「ちょっと考えさせてください」と返事をしました。
お世話になっているシスターのお願いを断るという選択肢はないなぁ、と思いながら、かなり悩ましい状況でした。
代母はベテラン信者がするもの、……ではないらしい
決断できずにいた数日後、夕方のミサの後に神父様に声をかけられました。
「あっ、シスターからのお願い、聞いてるよね?代母、よろしくねっ!」
と言って、私の返事を待たずに、スタスタと去って行きました。
えぇぇ〜、神父様、よろしくって……、私に代母をやれと言うことですか〜
と心の中で叫んでしまいました。
シスターから神父様に、代母は私で、ともう話は通っているようです。
いあぁ、神父様、そこは「もっとベテランの人にお願いした方がいい」と言うところじゃないでしょうか……?
なんて思いながら、引き受けるしかなさそうだと思いました。
お世話になっているシスターのお願いを断るのも申し訳ないし、神父様もよろしくなんて言っているし、不安でしたが私は代母を引き受けることにしました。
一般的に代母を頼まれた場合は、洗礼式まで代子さんと一緒にミサに与り、これからの信仰生活についての相談にのったりしながら、洗礼入門式、志願式、洗礼式を迎えていくことになります。
そんなところから、代母はベテランの信者さんがすることが多かったようです。
ほぼ「形式的」なものになってしまっている現在は、最近は私のように洗礼を受けて間もない新米信者がすることも結構あるようです。
代母を引き受けると返事をした後、シスターから紹介された代子さんは、私よりも年上とは思えない、きれいで優しい雰囲気のマダムでした。けれど、彼女は日曜のミサには来られないという事で、次に会うのは入門式です。