Ladder To Haven 天国への梯子のロザリオ
日本ではあまり見かけない、梯子状に珠を繋いだ"Ladder to haven Rosary"と言うロザリオがあります。
珠と珠を繋ぐのではなく、2本のチェーンの間に珠を繋いで梯子のようになった、とても美しいロザリオです。海外のサイトでは時々見かけますが、日本ではほとんど見かけないタイプかもしれません。
どうやって作る?天国への梯子
少し前に、「シスターがこんなロザリオ作れる?って言っているのだけど」と聞かれたのが、この"Ladder to haven rosary" でした。ずっと前に海外のサイトで見たことがありますが、作ったことはありません。
その時は「作ったことがないから、ちょっと難しいかも」と返事をしたのですが、『ロザリオ職人魂』で作ってみたくなりました。
とりあえず1連のミニロザリオを、とビーズとチェーンを用意し、いつも通り、11個のビーズにピンを通してループを作りました。
さて、ここからが問題です。適切な間隔でチェーンに珠を引っ掛けていかなければなりません。
チェーンのコマを数えながら珠の片方のループを取り付け、それが終わると、もう一本のチェーンに同じようにして珠のループを取り付けます。
慣れないと大変な作業だなぁ、と思いながらも「思ったより簡単」なーんて思っていました。
ハイ、舐めてかかってました。
出来上がった1連分の『梯子』は、一応梯子っぽくなっていますが、美しくない!全く美しくないのです。
「天国への梯子」はやっぱり大変
そう、チェーンの捻れやループをかける位置を考慮せずに作ったので、サイドのチェーンが捻れたり、ループの位置が内側や外側になっていて、きったないのです。
あまりの出来の悪さに、チェーンからビーズを取り外してやり直すことに。
チェーンに捩れがないか、ループの位置は間違っていないかを確認しながら作り直したのですが、これが、ものすごーく大変でした。
初めて作るタイプなので当たり前なのですが、1連を作る時間で普通のロザリオが1.5本できそうな時間をかけてしまいました。
きっと、何度か作って、コツや自分なりのやり方が確立されれば、もう少し短い時間で作れる気がしますが、制作に手間がかかるロザリオであることは間違いありません。
海外サイトの多くで100ドル以上で売られているのにも納得です。
このロザリオは"Ladder to haven Rosary" または "Jacob's Ladder Rosary"となっていて、創世記(28章 10-12)でヤコブが旅の途中で見た夢に登場する、地上から天国に通じる梯子から来ているようです。
確かに、美しく仕上がったロザリオは、本当に天国に通じる梯子のように美しいです。
リベンジして作った「梯子ロザリオ」(天国とつけるにはまだまだっぽいので)は、それなりに仕上がった気がします。
2本目は、チェーンを固定して作りました。ピンをチェーンに入れるタイミングやループの方向など、通常のロザリオとは作り方を変えています。
普通はロザリオ制作にピンセットを使うことは稀なのですが、「梯子ロザリオ」ではピンセット必須な感じです。片手にピンセット、片手にペンチです。(気分は外科医……?)
販売には悩ましい問題
そんなこんなで、ものすごく制作時間がかかるので、通常サイズのロザリオにトライするには躊躇してしまいます。ミニロザリオで使うチェーンは50センチ程度ですが、通常サイズでは、チェーンの種類にもよりますが3〜4メートル必要です。なので、5連の制作はナシ、と言う感じです。
さらに、それを販売するとなると通常タイプのロザリオの3倍以上の価格になってしまうので、やっぱりナシです。^^;
ミニロザリオですら、3倍ほどの制作費、作品として販売するのには躊躇してしまいます。
(円安でパーツの値段も高くなってるし……)
そんな高いロザリオ、いらないよ、ってなる気もします。
せっかく作ってみたので、何度か挑戦して出来上がった2本、お試しで出してみました。ミニロザリオで5000円越えってどうよ?と自分で言いたくなりますが、材料費と時間を考えるとこれが限界なのですよね……。チェーンも多く使うのでそれも影響しています。
きっと、もう販売用には作らないかなぁ、なんて思っています。
チェコビーズは2色のブルーをミックスして深みを出し、細かめのチェーンで雨粒を集めたような雰囲気に。
ピンクの方はスワロフスキーで、コマが大きめのチェーンで華やかな雰囲気にしてみました。写真では分かりづらいですがキラッキラでとても綺麗です。