Gregorio ALLEGRI – Miserere Mei, Deus

Gregorio ALLEGRI の “Miserere Mei, Deus” は仕事で疲れた夜、眠る前に聴くと、不思議と心が安らぐ曲です。
旧約聖書詩篇第51篇をもとに、イタリア人作曲家のGregorio Allegri が作曲した作品で、タイトルの『Miserere Mei, Deus』はラテン語で『神よ、我を憐れみたまえ』と言う意味です。
この詩篇は、神の掟に背いたダビデ王の悔い改めの祈りといわれます。

かつては特別な場所でしか聞けなかった美しい曲

この曲は、1630年代に作曲されたと言われています。当時はシスティーナ礼拝堂で聖週間の3日間のみ歌われる特別な曲でした。礼拝堂以外の場所で演奏することや、楽譜を持ち出す事は禁じられ、それを破ったものは波紋という厳しい罰が与えられました。
ですから、この美しい曲は、特別な時に特別な場所でしか聴く事の出来なかった曲と言う事になります。

しかし、1770年代に、当時14歳だったモーツァルトが父親とローマを訪れていた際に、システィーナ礼拝堂の礼拝でこの曲を聴き、その美しさに魅せられた彼はそれを暗譜し楽譜に書き起こしたそうです。 (さすがモーツアルト、すごいですね)
その後、その楽譜がモーツアルトから英国人歴史家のチャールズ・バーニーに渡り、1771年にロンドンで楽譜が出版されました。それにより、『Miserere』の禁令は解かれました。

この曲の美しいソプラノは天にも届くようで、当初は特別な場所でしか演奏されなかったと言う理由が分かるような気がします。この曲はコンサートホールで聞いても美しいのでしょうが、個人的にはやはり聖堂で聖歌隊によって歌われているのが一番好きです。
Kings College Choir のものは私の一番のお気に入りで、天使の声のようなボーイソプラノと大人の男性の歌うベースが素晴らしいです。
超高音部と「息が続かないんじゃ……」と思うくらい一息に歌われる低音部があって、歌うのもとても難しい曲ではないかと思います。それでも、いつか、この美しい曲を歌ってみたい、と思ってしまいます。

Allegri’s Miserere Mei (KingsCollegeChoir)

詩篇第51篇

Miserere mei, Deus: secundum magnam misericordiam tuam.

Et secundum multitudinem miserationum tuarum, dele iniquitatem meam.

Amplius lava me ab iniquitate mea: et a peccato meo munda me.

Quoniam iniquitatem meam ego cognosco: et peccatum meum contra me est semper.

Tibi soli peccavi, et malum coram te feci: ut justificeris in sermonibus tuis, et vincas cum judicaris.

Ecce enim in iniquitatibus conceptus sum: et in peccatis concepit me mater mea.

Ecce enim veritatem dilexisti: incerta et occulta sapientiae tuae manifestasti mihi.

Asperges me hysopo, et mundabor: lavabis me, et super nivem dealbabor.

Auditui meo dabis gaudium et laetitiam: et exsultabunt ossa humiliata.

Averte faciem tuam a peccatis meis: et omnes iniquitates meas dele.

Cor mundum crea in me, Deus: et spiritum rectum innova in visceribus meis.

Ne proiicias me a facie tua: et spiritum sanctum tuum ne auferas a me.

Redde mihi laetitiam salutaris tui: et spiritu principali confirma me.

Docebo iniquos vias tuas: et impii ad te convertentur.

Libera me de sanguinibus, Deus, Deus salutis meae: et exsultabit lingua mea justitiam tuam.

Domine, labia mea aperies: et os meum annuntiabit laudem tuam.

Quoniam si voluisses sacrificium, dedissem utique: holocaustis non delectaberis.

Sacrificium Deo spiritus contribulatus: cor contritum, et humiliatum, Deus, non despicies.

Benigne fac, Domine, in bona voluntate tua Sion: ut aedificentur muri Ierusalem.

Tunc acceptabis sacrificium justitiae, oblationes, et holocausta: tunc imponent super altare tuum vitulos.

神よ、わたしを憐れんでください、御慈しみをもって。
深い憐れみをもって背きの罪をぬぐって下さい。
わたしの咎をことごとく洗い
罪から清めて下さい。

あなたに背いたことをわたしは知っています。
わたしの罪は常にわたしの前に置かれています。
あなたに、あなたのみにわたしは罪を犯し
御目に悪事と見られることをしました。
あなたの言われることは正しくあなたの裁きに誤りはありません。

わたしは咎のうちに産み落とされ
母がわたしを身ごもったときもわたしは罪のうちにあったのです。
あなたは秘儀ではなくまことを望み
秘術を排して知恵を悟らせて下さいます。
ヒソプの枝でわたしの罪を払ってださい、わたしが清くなるように。
私を洗って下さい、雪より白くなるように。
喜び祝う声を聞かせてください。
あなたによって砕かれたこの骨が喜び躍るように。
わたしの罪に御顔を向けず咎をことごとくぬぐってください。

神よ、わたしの内に清い心を創造し新しく確かな霊を授けてください。
御前からわたしを退けずあなたの聖なる霊を取り上げないでください。
御救いの喜びを再びわたしに味わわせ自由の霊によって支えてください。

わたしはあなたの道を教えます
あなたに背いている者に罪人が御もとに立ち帰るように。

神よ、わたしの救いの神よ
流血の災いからわたしを救い出してください。
恵みの御業をこの舌は喜び歌います。
主よ、わたしの唇を開いてください。
この口はあなたの賛美を歌います。

もしいけにえがあなたに喜ばれ
焼き尽くす献げ物が御旨にかなうのなら
わたしはそれをささげます。
しかし、神の求めるいけにえは打ち砕かれた霊。
打ち砕かれ悔いる心を
神よ、あなたは侮られません。

御旨のままにシオンを恵み
エルサレムの城壁を築いてください。
そのときには、正しいいけにえも
焼き尽くす完全な献げ物も、あなたは喜ばれ
そのときには、あなたの祭壇に雄牛がささげられるでしょう。