足あとが一組だった理由─「Footprints」という詩を、今あらためて読み返してみて

最近、ずっと昔に書いた「Footprints(あしあと)」という詩についての記事に、アクセスしてくれる方が増えているようです。

特別に拡散したわけでもなく、何か話題になったわけでもありません。

理由は分からないけれど、
今の世の中、もしかしたらこの詩に自然と惹かれる人が多い時期なのかもしれない。

そんな気がしています。

久しぶりに自分でも記事を読み返してみて、
「あの頃の私」と「今の私」では、この詩の受け取り方がずいぶん違っていることに気づきました。

今日は、そのことを書いてみようと思います。

※この記事は、10年ほど前に書いた「心を癒される詩 "Footprints" あしあと」についての記事を、
今の気持ちで読み返し、加筆・再構成したものです。

ミサのお説教で出会った「Footprints」

「Footprints(あしあと)」という詩を初めて知ったのは、ミサ中のお説教でした。
神父様がこの詩を紹介してくださって、私は聖堂の椅子に座りながら、ただ静かに聞いていました。

その頃の私は、正直に言うと、かなり辛い時期だったと思います。

あの頃の私は、とても孤独だった

今振り返ると、
当時の私は「一人で頑張らないといけない」という思いがとても強かった。

辛い時には、なぜかいつも一人。
助けを求めるのが下手で、
時には、傷口に塩を塗りこむようなことを平気で言う人もいて、
人間不信気味で、少しやさぐれていた気がします。

自分が手を差し伸べてきた人たちが、
いざ私が辛い立場になると、なぜか知らん顔をする。
そんな場面にも何度か出会いました。

「誰も私の孤独や辛さを理解してくれない」

それは怒りというより、
絶望に近い、静かな寂しさだったと思います。

「どうして、いちばん辛いときに神様はいなかったの?」

「Footprints」の中で、語り手は神様に問いかけます。

人生でいちばん辛かった時、
足あとが一組しかありませんでした。

あなたは、あの時、
私を見捨てたのですか?

当時の私は、
この問いをそのまま自分の言葉として受け取っていました。

「どうして、いちばん辛いときに神様はいなかったの?」

この詩に、自分の気持ちを代弁してもらっていたのだと思います。
誰にも分かってもらえない孤独を、
この詩だけは分かってくれた気がしました。

今、読み返して気づいたこと

時間が経って、今あらためてこの詩を読むと、
感じ方が少し変わっています。

この詩は、「答え」を与える詩というより、
「どうやって人の心に寄り添えばいいのか」を教えてくれる詩なのかもしれない。
そんなふうに思うようになりました。

ある意味、私は一人でいることに慣れてしまったのかもしれません。
あるいは、
「神様がいつもそばにいてくれる」と思えるようになったのかもしれません。

どちらにしても、
私の心は、あの頃よりも少しだけ成長したのだと思います。

この詩が、合う人・合わない人

正直に言うと、
「Footprints」という詩が、今はまだ読めない人もいると思います。

神様に問いかける余裕すらないほど、
心が疲れている時。
この詩が、きれいすぎる言葉に感じられることもある。

それでもいいと思います。

無理に受け取らなくてもいいし、
「今は違う」と思ってそっと閉じてもいい詩だとも思います。

必要な時に、必要な人のところに、
自然と届く詩なのかもしれません。

洗礼のお祝いに、二冊の小さな詩集をもらったこと

洗礼を受けた時、
この「Footprints」の小さな冊子をお祝いにもらいました。

実は、二冊あります。
一冊は、所属教会で再会した大学時代の同級生から。
もう一冊は、代母さんから。

お気に入りの詩だったので、
「ダブった」と思うどころか、
私はとても嬉しかったのを覚えています。

今もその二冊は、大切に保管しています。
心が少し辛くなった時、
ふと手に取って読み返すことがあります。

不思議と、今もこの詩は私を励ましてくれて、
「もうちょっと頑張ろう」と思わせてくれます。

足あとが一組だった時間

あの頃の私にとって、
足あとが一組だった時間は、とても孤独でした。

でも今は、
あの一組の足あとが、
「抱えられていた時間」だったのかもしれない、
そう思えるようになりました。

この詩は、
読むたびに違う顔を見せてくれます。

もし今、あなたがこの詩に惹かれてここに辿り着いたのなら、
どうか無理をせず、
ただ静かに読んでみてください。

それだけで、十分だと思います。

※詩「Footprints(Footprints in the Sand)」は、  一般にマーガレット・フィッシュバック・パワーズ  (Margaret Fishback Powers)による詩として広く知られています。  
本記事では、日本語訳の一部を引用しています。