カトリックの一年、実は1月から始まりません

カトリック教会に通い始めて、わりと早い段階で出会う「?」があります。
「え、もう新しい一年始まってるの?」
「まだ11月だけど?」
実はこれ、気のせいではありません。
カトリックの一年は、1月1日から始まりません。
日本のカレンダーとは、スタート地点がそもそも違うのです。
教会には「教会のカレンダー」があります
カトリック教会では、典礼暦(教会歴)と呼ばれる独自のカレンダーに沿って一年を過ごします。
これは単なる行事予定表ではなく、
- 今はどんな意味を持つ季節なのか
- どんな心で祈る時期なのか
を示す、信仰のための時間割のようなもの。
そしてこの典礼暦、
毎年「待降節(アドヴェント)」から始まります。
一年の始まりは「待つこと」から
待降節は、クリスマスの約4週間前から始まる期間。
イエス・キリストの誕生を待ち、心を整える時期です。
つまりカトリックの一年は、
お正月で「さあ始めるぞ!」
ではなく、
静かに「待つ」ことから始まる。
ここが、日本人の感覚と少し違うところ。
日本では一年の始まり=お正月。
仏教行事も、多くは年中行事として暦年に沿っています。
一方カトリックでは、
救いの物語の流れに沿って一年が組み立てられているのです。
日本ではスルー。でも信者には大事な祝日
もうひとつ、日本人が戸惑いやすいポイントがあります。
それが、日本では祝日にならないけれど、信者にとっては大切な祝日。
たとえば、
- 主の昇天
- 聖霊降臨(ペンテコステ)
- 三位一体の主日
どれも、日本の祝日カレンダーには出てきません。
ニュースにもならず、街は通常運転。
でも、日本のカトリック教会ではちゃんとミサがあります。
典礼色も変わり、意味のある日として大切にされています。
海外のキリスト教国では祝日になっていることも多く、
「え、日本では普通に仕事なの?」と
逆に驚くこともあります。
なぜ移動祝日が多いの?実はかなり現実的な理由
カトリックの祝日には、毎年日付が変わるものがたくさんあります。
その理由のひとつは、とても現実的です。
日本はキリスト教国ではないので、
カトリックの祝日は基本的に祝日になりません。
つまり平日。普通に仕事や学校があります。
そうなるとどうなるかというと、
大多数の信者はミサに行けない。
そこで多くの祝日は、

「じゃあ日曜日に移動してお祝いしよう」
という形で、日曜日に移動します。
信仰的な意味は大事。
でも生活も大事。
その折り合いをつけた結果が、移動祝日なのです。
じゃあ、クリスマスはなんで移動しないの?
ここで素朴な疑問が浮かびます。
「え、じゃあクリスマスも日曜日に移動すればいいのでは?」
……しないんですよね、これが。
理由はいくつかありますが、
おそらく一番大きいのは、年末年始という特殊な時期だから。
- 仕事が休みの人も多い
- 夜に行われる「クリスマス・イブのミサ」がある
- 社会的にも“特別な日”として認識されている
つまり、多少無理してでも行ける人が多い祝日。
「移動しなくても、来られる人が多い」
それがクリスマス。
……と、ここまで考えて
「え、そういうこと?」
と、10年目にして今さら気づいた私です。
「ズレている」のではなく、「別の時間を生きている」
こうして見ると、
カトリックのカレンダーは日本の生活リズムと少しズレているように感じます。
でもそれは、間違っているわけでも、古いわけでもなく、
ただ、別の時間の流れを生きているということ。
典礼暦を知ると、
「今はこんな意味のある季節なんだな」
「だから教会の色も変わってるのか」
と、ミサや教会の雰囲気が少しだけ分かりやすくなります。
次に教会に行ったとき、
「今は教会の一年の、どの辺りなんだろう?」
そんなふうに眺めてみると、
カトリックの時間が、そっと身近になるかもしれません。


