カトリックと聖公会 〜聖公会のロザリオ Anglican Rosary〜

基本的にロザリオを使うのはカトリックだけなのですが、聖公会の一部ではロザリオを使ったお祈りをします。聖公会(Anglicanism, Anglican Church)は英国国教会系のキリスト教教派です。

もともと英国の教会は(国王と教皇の権力争いはあれど)カトリックでしたが、ヘンリー8世の離婚問題のこじれからカトリックから独立し、英国国教会となりました。つまり、ヘンリー8世が「奥さんと離婚して別の女性と結婚したいけど、ローマが許してくれないからカトリックからいちぬけた!」という感じですね 😅

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何となく似ている聖公会とカトリック

聖公会は、プロテスタントとカトリックの中間で「中道」の教会と位置づけられています。が、教会によってかなりプロテスタントに近いところやカトリックに近いところがあるようです。(どうやら主任司祭によってかなり変わるようです)

組織的にはカトリックと似ていますが、カトリックがローマ教皇をトップとしたひとつの組織であることに対して、聖公会は英国国教会を母体とするアングリカン・コミュニオン(世界各地にある聖公会の連合)を構成し、各国ごとに自治を行うかたちです。

カンタベリー大主教が指導的地位(カトリックのローマ教皇と同じような立場かな?)にありますが、裁治権を持ってはいません。

各国ごとに自治を行うので、国によって色々と違う部分があるのでしょう、知人のアメリカ人司祭は、日本の聖公会と母国の教会の違いに戸惑うことも多かったようです。(彼はまだ日本にいるのかしら?)

私の知っている聖公会の教会は、典礼的にはほぼカトリックと同じでした。お祈りの言葉や歌は少し違いますが、カトリックの私が聖公会の礼拝に参加しても、大きな違和感を感じることは無く、親近感を持ったほどです。「平和の挨拶」を司祭を含めた全員と握手しながら交わすのにはびっくりしましたが。(やっぱり初めての「平和の挨拶」はびっくりするものかしら? 💦 )

聖公会のロザリオ

私が聖公会でもロザリオを使うと知ったのは、くだんのアメリカ人司祭からでした。彼の教会では「ロザリオの祈り」をしていると言うのです。カトリックと同じお祈りをしているのかと聞くと、元カトリックの信徒たちとカトリックのロザリオを使ってカトリックのロザリオをする時もあると言うので、それはびっくりしました。

「聖公会ってなんだか、めちゃオープンマインドで、いいなぁ✨ 」
とある意味、驚きを通り越して、親しみを感じてしまいました。

……とは言え、ちゃんと日曜の礼拝の前には聖公会のロザリオをするようでした。聖公会のロザリオは祈り方もロザリオの構成も違っています。(多くの場合カトリックのロザリオを代用するそうですが)

一連が7個の珠で構成され、それが4つで一環となっています。このロザリオの祈りは比較的新しい物で1980年代にアメリカ聖公会の司祭によって考案されたようです。

ロザリオのビーズは、「招きのビーズ」1つ、「十字のビーズ」4つ、「ウィークス」という週間のビーズ28個で構成されています。この合計33個のビーズは、イエス・キリストの生涯を意味しているそうです。聖公会のロザリオにはセンターピースも使いませんし、十字架もイエス様がついていないものを使うようです。(別についてても問題ないようです)

お祈りのやり方はよく知らないのですが、カトリックのように決まったものはないようです。

  • 招きのビーズ:祈りへの招きで、「主の祈り」を唱える
  • 十字のビーズ:4つの季節と4つの方位。祈りのテーマを唱える
  • ウイークス:7つのビーズで1連。7はヘブライ語で「完全、満る」ことを意味している。ここで色々祈るようです
  • 最後に招きのビーズで「栄唱」を唱えてお祈りを終える

という構成のようです。かなり、自由な感じですね。

カトリックとは、ビーズの数も祈り方も違う聖公会のロザリオですが、時々作ってみたいと思います。聖公会の方でロザリオが欲しいと言う方は、是非お問い合わせ下さい ✨

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