Salve Reginaのロザリオ ― 聖堂の光を映して

グレゴリオ聖歌のマリア讃歌「Salve Regina」をイメージしたロザリオを作りました。
実は、Salve Reginaをテーマにロザリオを作るのは今回が初めてではありません。
以前にも同じ聖歌をイメージした作品を制作しています。
では、なぜもう一度?
実は、同じSalve Reginaでも、今回イメージしたのは以前とは少し違う旋律。
Solemn tone(荘厳調)のSalve Reginaです。
同じ祈りの言葉を歌っているのに、Simple toneとSolemn toneでは、私の中に浮かぶ景色がずいぶん違います。
今回は、その「もうひとつのSalve Regina」をロザリオにしてみました。
同じSalve Regina、もうひとつの表情
Salve Reginaには、Simple toneとSolemn toneと呼ばれる旋律があります。
おそらく耳にする機会が多いSimple toneは、私には比較的明るく、光がきらきらと差し込むような印象があります。
一方、Solemn toneは装飾的な動きが増え、より深く、静かで厳かな表情を感じます。
もちろん、これはあくまで私自身がそれぞれの旋律から受ける印象です。
同じ「Salve Regina」という祈りなのに、旋律が変わると、そこから見えてくる色や景色まで変わる。
それがグレゴリオ聖歌の面白さのひとつでもあります。
Simple toneとSolemn toneの違いについては、以前の記事でも詳しく紹介しています。
今回は音楽そのものの解説ではなく、Solemn toneから私が感じた「色」と「光」を、どうロザリオに映したのかをご紹介します。
キャンドルとステンドグラスの光
Solemn toneのSalve Reginaを聴いていると、私の中に浮かぶ景色があります。
静かな聖堂。
灯されたキャンドルのあたたかな光。
ステンドグラスを通して差し込む、やわらかな光。
そして、その空間に静かに響いていくSalve Reginaの旋律。
眩しいほど明るいわけではありません。
けれど、暗いわけでもない。
静けさの中に、小さな光がいくつも浮かんでいるような風景です。
今回のロザリオでは、そんな聖堂の光をビーズで表現してみたいと思いました。
白いビーズに重ねた、マリア様の清らかさ
中心に選んだのは、カットの入った真っ白なチェコビーズです。
そこに、やさしい色合いのミルキーホワイトと、透明なチェコビーズを組み合わせました。
白は、私の中では聖母マリアの清らかさを思わせる色。
けれど、すべてを真っ白にするのではなく、乳白色や透明なビーズを重ねることで、マリア様のやさしさも表現したいと思いました。
カットされたビーズは、光を受けるとほんの少しだけきらめきます。
華やかに輝くというより、
静かな聖堂の中で、光がふっと揺れるような輝き。
今回のSalve Reginaには、そのくらいの光が似合うように思います。
ブラウンは、聖堂の色
主の祈りの珠には、少し大きめのブラウンのチェコビーズを選びました。
白を中心としたロザリオの中では、少し意外な色かもしれません。
でも、このブラウンにはちゃんと理由があります。
これは、私がSolemn toneのSalve Reginaから思い浮かべた聖堂の色です。
木のベンチや柱。
長い時間を重ねた聖堂の落ち着いた色。
そして、キャンドルの光を受けたあたたかな影。
そんな色をロザリオの中に加えたくて、ブラウンを選びました。
さらにビーズキャップとボタンカットのクリスタルを添えて、小さな煌めきを加えています。
ここでも、きらきらさせすぎないことを大切にしました。
あくまで、静かな光です。
音を、色と光に置き換える
グレゴリオ聖歌をテーマにロザリオを作るとき、旋律そのものをビーズにすることはできません。
だから私は、その曲を聴きながら考えます。
「この曲は、何色だろう」
「どんな光だろう」
「どんな場所で響いているように感じるだろう」
今回、Solemn toneのSalve Reginaから見えたのは、
白と乳白色。
透明な光。
古い聖堂を思わせるブラウン。
そして、キャンドルの小さな煌めきでした。
それをひとつずつ拾いながら、ビーズに置き換えていきました。
同じSalve Reginaでも、旋律が変われば、そこから見える景色も変わる。
以前作ったSalve Reginaとはまた違う表情になったのも、聖歌をテーマに作品を作る面白さなのかもしれません。
Salve Reginaが響く、小さな聖堂のように
静かな聖堂の中。
キャンドルの光と、ステンドグラスから差し込むやわらかな光。
そして、そこに静かに響くSalve Regina。
今回のロザリオを手にしたとき、そんな風景をほんの少し感じてもらえたら、と思います。
そして祈りの時間に、聖母マリアへ向かうSalve Reginaの旋律が、どこか遠くから静かに聞こえてくるような。
そんなロザリオになっていたら嬉しく思います。
作品詳細










| 作品名 | Salve Reginaのロザリオ ― 聖堂の光を映して |
|---|---|
| 素材 | チェコビーズ 約6mm/ 8mm |
| サイズ | 全体の長さ:約520mm / 輪の長さ:約710mm |
| 十字架 | 約55 × 38mm イタリア製 |
| メダイ | 約35 × 18mm イタリア製 |
Gallery & Motion
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