Anima Christiのロザリオ ― 美しく切ない祈り

私の好きな曲のひとつ、マルコ・フリジーナ作曲の《Anima Christi》。
古くからカトリック教会で親しまれてきた祈り「Anima Christi(キリストの魂)」を歌った、とても美しい曲です。
キリストの御血、脇腹から流れた水、受難――。
四旬節や聖週間を思わせる言葉が登場することもあり、この時期に耳にすることの多い祈りでもあります。
けれど、私がこの曲から受ける印象は、いわゆる四旬節の曲のような、重く沈み込むものとはちょっとだけ違います。
美しく、少し切なく、それでもどこか優しい。
キリストの受難と救いを見つめながら、その愛の中に包まれ、清められることを願う祈り。
今回は、そんな《Anima Christi》の世界をロザリオで表現してみました。
Anima Christi ― キリストの魂
「Anima Christi」は、中世から伝わるカトリックの祈りです。
キリストの魂によって聖化されること。
キリストの御体によって救われること。
キリストの血によって満たされること。
キリストの脇腹から流れた水によって洗われること。
そして、キリストの受難によって強められること。
さらに祈りは、キリストから離れることがないように、いつもそのそばにいられるように、と続いていきます。
受難だけではなく、救い、清め、そしてキリストとの深い結びつきを願う祈り。
聖体拝領後の祈りとして親しまれてきたことにも、その性格がよく表れているように思います。
フリジーナの《Anima Christi》を聴いていると、こうした言葉が美しい旋律に包まれて、静かに心へ入ってくるように感じます。
今回のロザリオでは、その祈りの言葉を、色と光に置き換えてみました。
祈りの言葉を珠に重ねて
今回のロザリオでは、一連の中にガーネット、クリスタル、ホワイトカルセドニーを組み合わせました。
深い赤のラウンド型ガーネットは、キリストの血。
光を細かく反射するカット入りガーネットは、キリストの受難。
透明なクリスタルは、キリストの脇腹から流れ出た水と、魂の清め。
そして柔らかな白のホワイトカルセドニーは、すべてを包み込むイエスの愛をイメージしています。
赤と透明な光、その中に柔らかな白が浮かぶデザインにしました。
受難の痛みだけではなく、その先にある救いと清め、そして愛。
《Anima Christi》という祈りから私が感じるものを、一連の珠の中に重ねています。
たった3mm。でも、ここはローズクォーツ
主の祈りの珠には、8mmの20面カットの天然水晶を使いました。
その両側にビーズキャップを添え、さらに小さなボタンカットのローズクォーツを一粒ずつ。
ローズクォーツは直径約3mm、厚さは約2mm。
本当に小さな珠です。
ここはクリスタルでもよかったのです。
でも、実際に合わせてみると少しキラキラしすぎる。
全体がシャープになりすぎて、《Anima Christi》の持つ切なさや優しさから少し離れてしまう気がしました。
では、ミルキーホワイトのシードビーズなら?
……これも、なんだか違う。
そして最終的に、
「ここは、やっぱりローズクォーツだ」
となりました。
ほんのりとした、ごく淡いピンク。
目立つほどの色ではありません。
それでも、この小さなピンクが入ることで、透明な水晶の輝きにほんの少し温かさが加わります。
御血、受難、水、清め――そのすべての根底にあるキリストの愛。
その優しさを表現するには、どうしてもローズクォーツがよかったのです。
というわけで、わずか3mmほどの珠をわざわざ取り寄せました(笑)。
たった数ミリ。
されど数ミリ。
ロザリオを作っていると、時々こういう妙なこだわりが発生します。
御心と、静かな十字架
センターピースは、イエスの御心のメダイを。
《Anima Christi》には受難を思わせる言葉が多く登場します。
けれど、その奥にあるのは、キリストによって救われ、清められ、その愛のうちに留まりたいという願い。
だから、このロザリオの中心には御心を置きたいと思いました。
十字架には、装飾を抑えた少しストイックなデザインを。
ガーネットの深い赤や透明なクリスタルの輝きを引き締めながら、作品全体を静かな祈りへと導いてくれます。
美しく、少し切ない祈り
《Anima Christi》を聴いていると、受難を思わせる言葉が歌われているのに、私には不思議と「苦しみ」だけが残りません。
そこにあるのは、悲しみだけではなく愛。
痛みだけではなく救い。
そして、自分を清め、キリストのそばに置いてほしいと願う、切実で親密な祈りです。
だからこのロザリオも、深い赤だけではなく、透明な光と柔らかな白、そしてほんの少しの淡いピンクを重ねました。
美しく、少し切なく、それでも優しい。
私がフリジーナの《Anima Christi》から感じる祈りの姿を、一粒一粒の珠に重ねて作りました。
作品詳細










| 作品名 | nima Christiのロザリオ ― 美しく切ない祈り |
|---|---|
| 素材 | ホワイトカルセドニー(天然石)、ガーネット(天然石)、溶錬水晶 約6mm、クリスタル(天然石) 8mm、ローズクォーツ ボタンカット |
| サイズ | 全体の長さ:約500mm / 輪の長さ:約700mm |
| 十字架 | 約50 × 30mm イタリア製 |
| メダイ | 約20 × 18mm イタリア製 |
Gallery & Motion
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