Ave Maria ― 透明な祈りのロザリオ

今回は、シューベルトの《Ave Maria》をテーマにしたロザリオを作りました。
以前にも、グレゴリオ聖歌《Ave Maria》をテーマにしたロザリオを制作しています。
でも今回は、少し違う「Ave Maria」を表現してみたくなりました。
同じ「Ave Maria」というタイトルでも、作曲家によって、その世界はまったく違います。
私にとってグレゴリオ聖歌は、静かで清らかな祈り。
一方、シューベルトの《Ave Maria》は、透明な光をまとった、美しく輝く祈り。
そんな違いをロザリオで表現してみたいと思いました。
どの《Ave Maria》にしよう?
最初は、グレゴリオ聖歌《Ave Maria》をもう一度、違う表現で作ってみようと考えていました。
でも、「Ave Maria」という曲は一つではありません。
シューベルト
バッハ=グノー
カッチーニ
サン=サーンス
それぞれに異なる美しさがあり、それぞれに惹かれるものがあります。
「今回は、その中から一曲選んでみるのも面白いかもしれない。」
そう思いました。
一番有名なのは、やはりシューベルトでしょうか。
もちろん、バッハ=グノーも好きですし、カッチーニの静かな美しさにも惹かれます。
それでも最後に心に残ったのは、シューベルトの旋律でした。
と言うことで、今回は、シューベルト。
そんな気持ちから、このロザリオが始まりました。
シューベルトの《Ave Maria》
実は、シューベルトの《Ave Maria》は、最初からラテン語の祈祷文として作曲された曲ではありません。
もともとは、ウォルターの叙事詩をもとにした《エレンの歌 第3番》。
父の無事を願う娘・エレンの切なる祈りが歌われています。
その後、この美しい旋律にラテン語の《Ave Maria》の祈祷文が付けられ、今日ではその形でも広く親しまれています。
今回私がイメージしたのは、そのラテン語版の《Ave Maria》です。
エレンの切なる願いと、マリア様への祈り。
その二つが重なり合うような、美しく透明な世界を思い描きました。
「透明な祈り」を石で表現
メインに選んだのは、ブルークォーツ。
淡い色と少し深みのある色を組み合わせ、ブルーの中に自然な奥行きを生み出しています。
アクセントには柔らかなブルーのエンジェライトを。
そして、カット入りのクリスタルを散りばめることで、旋律の中にきらめく光を表現しました。
主の祈りの珠には天然水晶を使用し、星型のビーズキャップと小さなクリスタルを添えています。
静かに輝くその姿は、透明な祈りが光をまとっているようです。
十字架には百合がデザインされたものを選びました。
白百合は聖母マリアの象徴として親しまれる花。
作品全体を包むブルーは、マリア様の衣を思わせる色でもあります。
前回の《Ave Maria》との違い
以前制作したグレゴリオ聖歌《Ave Maria》のロザリオでは、ホワイトカルセドニーを使い、マリア様の清らかさをテーマにしました。
今回描きたかったのは、それとは少し違う世界です。
マリア様そのものではなく、
マリア様へ届けられる祈り。
切なる願い。
美しい旋律。
そして、その祈りを包み込む透明な光。
そんな情景を思い浮かべながら、一粒一粒を繋いでいきました。
私が感じるシューベルトの《Ave Maria》
この曲を聴いていると、いつも透明な光が思い浮かびます。
透き通る青。
静かに降り注ぐ光。
きらめきながら空へと昇っていく祈り。
どこか悲しみを含みながらも、その先には希望がある。
そんな美しさを持った旋律です。
グレゴリオ聖歌の《Ave Maria》が、祈りそのものを静かに歌う曲だとすれば、
シューベルトの《Ave Maria》は、祈る人の願いが光となってマリア様へ届いていくような曲。
私には、そんなふうに感じられます。
光とともに届けられる祈り
祈りは目には見えません。
けれど、もし祈りに色や光があるとしたら、
きっとこのロザリオのように、透明で、やさしく、静かに輝いているのではないでしょうか。
そんな「透明な祈り」を思い描きながら制作したロザリオです。
作品詳細









| 作品名 | Ave Maria ― 透明な祈りのロザリオ |
|---|---|
| 素材 | ブルークォーツ(天然石)、エンジェライト(天然石)、溶錬水晶 約6mm、クリスタル(天然石) 8mm |
| サイズ | 全体の長さ:約500mm / 輪の長さ:約700mm |
| 十字架 | 約50× 30mm イタリア製 |
| メダイ | 25 × 16mm イタリア製 |
Gallery & Motion
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