Ultima Spes - 最後の希望のロザリオ

Ultima Spes

最近、なんとなく世界の空気が落ち着かないと感じることが増えました。

はっきりとした理由を言葉にできるわけではないのですが、
どこかざわついていて、少しだけ現実が現実でないような感覚。

そんな時、ふと昔の記憶がよみがえりました。

中学生の頃、なぜか妙にハマっていた、あの手の雑誌。
終末や予言、黙示録的な世界観を扱う、不思議な本です。

当時は、どこか現実離れした物語として読んでいたはずなのに、
今になって思い出すと、少し違った重さで心に引っかかる。

「終末」という言葉が、
完全なフィクションではないように感じてしまう瞬間があります。

もちろん、実際に何かが起こるという話ではなくて、
ただ、空気のどこかにある不穏さのようなもの。

その感覚が、ふと頭の中で形になりました。

終末のロザリオを作ったらどうなるだろう

「もし、終末のロザリオを作るとしたら?」

そんな、少しだけ物騒な発想から、このロザリオは始まりました。

禍々しいもの。
不安定なもの。
整わないもの。

そういうものを、そのまま形にしてみたらどうなるのだろうと。

使ったのは、ガーネットやオニキス、レッドアゲート。
深く、重く、どこかざわつきを含んだ色合いの石たちです。

さらに、シルバーシャインオブシディアンの持つ冷たい光。
細石の不揃いな形。

意図的に整えず、
均衡を崩したまま組み上げていきました。

連ごとの長さもわずかに変え、
リズムが揃わないように。

センターピースと十字架も、
ほんの少しだけ向きを揃えずに配置しています。

祈りにくいロザリオ

出来上がったロザリオは、
正直に言うと、あまり“祈りやすい”形ではありません。

珠は小さく不揃い、そしてその間隔は一定ではなく、
指先の感覚も揃わない。

祈りのリズムは、どこかで揺れて、乱れます。

けれど、それは意図したものでもあります。

整った祈りではなく、
整わないままの祈り。

言葉にならない感情や、
まとまりきらない思いを抱えたまま、
それでも手の中で珠を辿ること。

そんな祈りの形があってもいいのではないかと、
このロザリオは思わせてくれました。

それでも、禍々しいものにはならなかった

もともとは、もっと禍々しいものになるはずでした。

もっと暗く、もっと重く、
見ているだけでざわつくようなものを想像していたのですが。

出来上がったものは、不思議とそうはなりませんでした。

確かに不安定で、整ってはいない。
けれど、どこかに静けさがあり、
完全な暗さにはならない。

その中に、ほんのわずかな光が残っている。

意図した以上に、
“美しさ”の方へと収束していったように感じます。

Ultima Spes — 最後の希望

このロザリオに付けた名前は、Ultima Spes

ラテン語で「最後の希望」という意味です。

混乱の中で、
何が正しくて、何が間違っているのか分からなくなるような時でも。

それでも、最後には希望があってほしい。

そう願う気持ちは、
どこかに残っているのではないかと思います。

静けさの中に残るもの

このロザリオは、
整った祈りのためのものではありません。

むしろ、整わないままの心で、
それでも手に取るためのものです。

揺れたまま、迷ったまま、
それでも珠を辿る。

その先に、ほんのわずかでも光が見えるのなら。

Ultima Spes。

最後に、希望があってほしいと願うためのロザリオです。

作品詳細

作品名Ultima Spes - 最後の希望のロザリオ
素材ガーネット(さざれ)、ホワイトオニキス、オニキス、レッドアゲート、シルバーシャインオブシディアン(6mm)
サイズ輪の長さ:約360mm / 全体の長さ:約290mm
十字架約45 x 25mm イタリア製
メダイ約25 x 20mm イタリア製

Gallery & Motion
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