Jesu Dulcis Memoria のロザリオ ― 至福の記憶を辿る祈り

Jesu Dulcis Memoria のロザリオ

グレゴリオ聖歌 Jesu Dulcis Memoria をテーマに、ロザリオを作りました。

その甘さは、蜜よりも。
その喜びは、言葉では表しきれないほどに。

そんな祈りの世界を、温かな色の中に閉じ込めたロザリオです。

最初は「この旋律、好き」から

この聖歌を初めて聴いたとき、思ったことはとてもシンプルでした。

「この旋律、好き」

……ただ、そう思いました。

実はその時、歌詞の意味はまったく調べていませんでした。

というのも、最初に聴いたのが
グレゴリオ聖歌に鳥の声などが重ねられた、いわゆるヒーリング系の音源だったからです。

ただ心地よくて、
なんとなく繰り返し聴いていた曲。

歌詞を知って、印象が変わる

ある日ふと、

「この曲のちゃんとしたグレゴリオ聖歌、聴いてみようかな」

と思ってタイトルから調べたのがきっかけでした。

そして、歌詞の意味を知ったとき。

正直に言うと——

「めちゃくちゃ熱烈な恋文みたい」

と思いました。

ラテン語の歌詞

Jesu, dulcis memoria,
(イエス、その甘き思い出は)
dans vera cordis gaudia:
(心に真の喜びを与えます)
sed super mel et omnia
(けれども蜜よりも、また何よりも)
ejus dulcis praesentia.
(主が共におられることは甘美なのです)

「蜜よりも甘い」とか、
「心に真の喜びを与える」とか。

もう、表現がまっすぐすぎて。

修道士の愛、レベルが違う

12世紀の修道士が綴ったとされるこの詩。

いやもう、

愛のレベルが違いすぎる

と、思わず遠い目になりました。

そして同時に、

自分のグータラ信者っぷりも再確認することに。

……まあ、こういう気づきも含めて、祈りなんでしょうか。

「蜜」と「記憶」をかたちにする

この歌詞の中で強く印象に残ったのが、

「蜜(mel)」
「思い出(memoria)」

という言葉でした。

そこから自然に選んだのが、バルティックアンバーです。

バルティックアンバー(主の祈り)

深みのある黄金色は、まさに蜜の色。

そして、数千万年という時間を閉じ込めた存在でもあります。

その長い時間を「記憶」と重ねることで、
このロザリオの核が決まりました。

触れたときにほんのりと体温を感じるような質感も、
この聖歌の持つ親密な空気にとてもよく合っています。

甘美な白を重ねる

そこに合わせたのがホワイトカルセドニー。

完全な透明ではなく、
少しとろみを感じるような白。

この質感が、琥珀の黄金色と重なったとき、

ミルクとはちみつのような色合い

が生まれました。

「甘美な(Dulcis)」という言葉を、そのまま色にしたようなトーンです。

静かにつなぐ光

さらに、ゴールデンオブシディアンで色の流れをやわらかくつなぎ、
クリスタル(溶錬水晶)で透明な光を添えています。

強く主張するのではなく、
全体を静かに整えるような配置にしました。

心の喜びを象るもの

センターピースには「御心」を選びました。

歌詞の中にある

dans vera cordis gaudia
(心に真の喜びを与える)

この一節から、自然に導かれた選択です。

ハートのモチーフは、
この聖歌そのものが持つ「愛」の象徴でもあります。

恋文のようなロザリオ

今回のロザリオは、

これまでの四旬節や浄めのテーマとは少し違い、
どこかやわらかく、あたたかな雰囲気を持っています。

どちらかというと、

一通の恋文のような祈り

そんなイメージです。

甘美な記憶を辿る

珠をひとつひとつ辿るたびに、
その“記憶”をなぞるように。

言葉にしきれない喜びや、
静かな満ち足りた感覚。

このロザリオが、
そんな親密な祈りの時間に寄り添うものであれば嬉しいです。

作品詳細

作品名Jesu Dulcis Memoria のロザリオ
素材ホワイトカルセドニー(天然石)、ゴールデンオブシディアン(天然石)、バルディックアンバー(天然石、クリスタル(溶錬水晶)約6mm、バルティックアンバー(天然石) 8mm
サイズ輪の長さ:約670mm / 全体の長さ:約500mm
十字架約55 × 35mm イタリア製
メダイ20 × 18mm イタリア製

Gallery & Motion
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