ロザリオ、それは祈りを入れる「器」

「ロザリオを作るとき、何を考えていますか?」
と聞かれることがあります。
天然石を選び、
十字架を選び、
色を考え、
デザインを決める。
そして一粒一粒を丁寧に繋いでいく。
そうして1本のロザリオが出来上がるのですが、
私の中では、そのロザリオはまだ完成していません。
ロザリオは「祈りの器」
少し変わった表現かもしれませんが、
私にとってロザリオは、
祈りを入れる器
のような存在です。
あるいは、
祈りを入れる、美しい箱。
私は、その器となるロザリオを作っています。
私が作れるのは「箱」まで
作品には、
テーマがあります。
物語があります。
「蒼穹の祈り」
「水の記憶」
「平和の祈り」
そして、グレゴリオ聖歌など歌をテーマしたロザリオ。
作品ごとに、
「こんな祈りに寄り添えたら」
という思いを込めて制作しています。
でも、
その時点では、
まだ「箱」が出来上がっただけ。
本当に完成させるのは祈る人
ロザリオは、
手にした人が祈ることで、
少しずつ完成していく。
私はそんなふうに思っています。
経年劣化ではなく「時間の跡」
木のビーズは、
少しずつ色が深くなります。
金具も、使えば少しずつ表情が変わります。
天然石そのものは大きく変わらなくても、ロザリオ全体の雰囲気は少しずつ変わっていくように感じます。
一般的には、「経年劣化」という言葉になるのかもしれません。
でも私は、
その言葉だけでは表現したくありません。
祈りを重ねたロザリオ
毎日祈りながら使ったロザリオには、
その人だけの時間があります。
その人だけの涙があります。
その人だけの喜びがあります。
その積み重ねが、
ロザリオの表情を少しずつ変えていく。
私はそれを、
祈りが宿った美しさ
だと思っています。
祈りを纏ったロザリオも美しい
一方で、
大切に保管しながら使われるロザリオもあります。
見た目は新品に近いままでも、
そこに積み重ねられた祈りは、
外からは見えません。
けれど、
見えないからこそ、
そこには静かな美しさがある。
そんな気もしています。
未完のロザリオ
ちょっと不思議な言い方になりますが、
私は
完成したロザリオを販売しているとは思っていません。
私が作るのは、
祈りが始まるための器。
そのロザリオを完成させるのは、日々の祈りです。
結び
だから私は、
発送するとき、
「ありがとうございました。」
という気持ちと一緒に、
こんなことも思っています。
「これから、このロザリオがたくさんの祈りに寄り添えますように。」
それが、
私にとってのロザリオ作りです。
ロザリオは、新しいままでも美しい。
でも、祈りを重ねたロザリオには、その人だけの時間が刻まれます。
私は、その美しさが何より好きです。
これからも、そんな「祈りの器」を、一つひとつ丁寧に作り続けていきたいと思っています。
Gallery & Motion
作品の動画などをご覧いただけます


