映画「教皇選挙」を観てきました
日曜日に、友人と「教皇選挙」を観てきました。
次期ローマ教皇を決めるコンクラーベ(教皇選挙)の裏側を描いたミステリー映画です。
原題は"CONCLAVE"(コンクラーベ)、決まるまで何度も行われる投票はまさに「根比べ」なんて言われたりしますが、密室で行われるコンクラーベにはとても興味をそそられます。

密室で行われるコンクラーベ
さて、このコンクラーベ(Conclave)は、ラテン語の「cum clave」(鍵とともに)に由来していて、文字通り「鍵をかけて閉じこもる」という意味があります。
教皇選挙において、外部からの情報(影響)を遮断して候補者である枢機卿たちが「神の導きの下で自由に投票できる」ようにするための措置なのだそうです。
枢機卿はカトリック教会で教皇に次ぐ地位の聖職者で、教皇によって任命されます。そして、コンクラーベに参加できるのは、80歳未満の枢機卿のみです。
システィーナ礼拝堂で枢機卿たちが投票を行い、3分の2以上の票を獲得した候補者が教皇に選出されます。投票権を持つ枢機卿は120名くらいと言うことなので、決まるまで何度も投票るすことになります。(1日に最大4回行われるそうです)
考えただけでも、大変そうで、だから「根比べ」なんて言いたくなってしまいます^^;
めでたく決まればシスティーナ礼拝堂の煙突から白い煙が、決まらなければ黒い煙が出ます。
現在のフラシスコ教皇は5回の投票で決まりましたが、過去には数週間とか数ヶ月かかった例もあるそうです(°д°)
候補者同士の意見が対立したり、色々とあるようです。
世界的権力の前に渦巻く計略や秘密
そんな「色々」が、今回の映画「教皇選挙」の物語になっていて、人間の野心や計略、秘密など、色々なものが渦巻いています。途中、なんだか政治家を見ているような気もしてしまいました。
それが教会や神様のためなのか、己の野心や欲望なのか、人間は権力や野心を持つとこうなっちゃうのか……と思ってしまいます。
冒頭の方で「まともな人間は教皇になりたいなんて思わない、それを望む人間が危ない」というようなセリフがあったのですが「自ら望んでなるものではなく選ばれるもの」なのだろうな、と思います。「教皇になりたい」という欲がある人間は相応しくないと言うことなのか……。
重責のある教皇職を、普通なら「自分が相応しいとは思わない」と言うのが、セリフの中の「まともな人間」と言うことなのだと思います。
個人的にはコンクラーベを仕切っていたローレンス枢機卿が一番まっとうに感じました。(主人公だけに?)
コテコテのカトリックの映画っぽいですが、内容はミステリー映画なので、キリスト教を知らなくても楽しめる映画だと思います。キリスト教を知っている人ならより楽しめます。
最後は「え?そうくる?!」と、ちょっと驚きの結末です。
衣装も美しく、それぞれの枢機卿がつけている十字架も、キャラクターによって少しづつ違っていてそのキャラクターらしい十字架をつけていたように思います。
ラテン語の祈りの言葉や、聖歌も印象的でした。
興味のある方はぜひ観てはいかがでしょう。おすすめの映画です!
そういえば、他にもコンクラーベが題材になった映画がありました。ちょっとコメディ的な部分もある映画だったのですが、皆が「どうか自分が選ばれませんように」と思いながら投票していて、ほぼ「押し付けられる」形で教皇が選出されます。けれど、選出された本人は重圧に耐えられず、バチカンから抜け出して……、と言う話だったように思います。
たしか、「ローマ教皇の休日」と言うようなタイトルだったと思いますが(うろ覚え)、それもまた見てみたいなという気持ちになります。(ヒューマンドラマで「教皇選挙」とは真逆の雰囲気ですが……)