グレゴリオ聖歌 Pange Lingua Gloriosi - 聖体賛歌を歌う
グレゴリオ聖歌のクラスでは、新しい聖歌の練習が始まりました。
“Pange Lingua Gloriosi”,"Ave Verum Corpus","Adoro Te Devote"の3曲、どれも聖体を賛美する聖歌です。“Pange Lingua Gloriosi”と"Adoro Te Devote"は6番まである長い聖歌で、Hymnus(賛歌)に分類される聖歌です。
"Ave Verum Corpus"はモーツァルトのものを歌ったことはありますが、グレゴリオ聖歌の"Ave Verum Corpus"は初めてです。そして、これは賛歌に分類されているものの、純粋な賛歌ではないそうです。時々、人によってSequentia(続唱)に分類されたりするのだとか……。
聖体を賛美する聖歌
“Pange Lingua Gloriosi”と"Adoro Te Devote"の2曲は、私が初めて聞いたグレゴリオ聖歌で、旋律が美しく、とても好きな曲です。一通り歌えるつもりでいたのですが、「自主練」していただけなので、いざみんなと歌ってみるとラテン語の発音が怪しい限り……。
うーん、こんなはずじゃなかったのに……、と撃沈💦
週末の仕事で疲れきった後の練習のせいか、長い歌を歌っていると、途中で疲れて集中力が切れてしまう始末。特に、旋律が頭に入っている歌だと油断して、盛大に間違えてしまったりします😅
次の練習までに、ラテン語の読みをちゃんと復習しておかないと、という感じです。
Ave Verum Corpus
今回、初めて歌うグレゴリオ聖歌の"Ave Verum Corpus"は柔らかい旋律の美しい歌です。モーツァルトの曲しか知らなかった私には、なんだかとても新鮮な感じがしました。ソプラノが印象的なモーツァルトは、優雅で透明感のある印象ですが、グレゴリオ聖歌はもっと素朴で優しい印象です。
Ave Verum Corpus - Catholic Gregorian Chant
練習には楽譜付きのこちらがぴったり。
Ave Verum Corpus Natum
お馴染み、モーツァルトの"Ave Verum Corpus"
Pange Lingua Gloriosi
“Pange Lingua Gloriosi”は日本語に訳すると「舌よ、ほめたたえよ」です。とても美しい旋律で、13世紀の聖人トマス・アクィナスが作った歌詞です。カトリック聖歌集では4節目までが"Pange Lingua Gloriosi",5節と6節が"Tantum ergo"として載っています。聖木曜日や聖体賛美式などに歌われるグレゴリオ聖歌です。
最初の動画は、私のお気に入りのCD"illuminations"バージョンの“Pange Lingua Gloriosi”です。ヒーリングミュージックとしてアレンジされていますが、とても美しいです。
Pange Lingua Gloriosi - Catholic Hymns, Gregorian Chant
こちらが、普通に歌っているグレゴリオ聖歌の“Pange Lingua Gloriosi”です。
Pange Lingua (Corpus Christi)
Adoro Te Devote
"Adoro Te Devote"も聖体賛歌、日本語にすると「われは御身を敬虔にあがめ」となります。こちらもトマス・アクィナスによる聖体拝領の祈り「隠れたる神性よ」が歌詞になっています。
Adoro Te Devote - Catholic Hymns, Gregorian Chant
Adoro Te Devote (by St. Thomas Aquinas)
ヴァティカンのミサで歌われている"Adoro Te Devote"
Adoro te devote
もうひとつの"Pange lingua gloriosi"
グレゴリオ聖歌は出だしの歌詞がそのまま曲のタイトルになるので、同じタイトルの曲がいくつかあったりします。"Pange lingua gloriosi"も同じように、全く違った旋律の聖歌があります。ヴェナンティウス・フォルトゥナトゥスが作詞したもので、11節まであります。聖金曜日の「十字架礼拝」の賛歌として歌われてきたようです。この場合は、最初に第8節の"Crux fidelis"から歌い始めます。こちらは、聖体賛歌ではなく十字架賛歌です。
なかなか、この聖歌の動画が見つからなかったのですが、ちょうど聖金曜日に歌われる形式で歌っているものを見つけました。タイトルになっている"Pange lingua gloriosi"は45秒あたりで出てきます。
Crux Fidelis/Pange Lingua - Good Friday (Gregorian chant)
同じ歌でも、楽譜が微妙に違うことも
同じタイトルの聖歌で、旋律も内容も違う歌があるのは興味深いなぁ、と思いました。そして、同じ曲でも楽譜によってほんの少し違うものもあったりします。聖体賛歌の“Pange Lingua Gloriosi”も、私が持っているLiber UsualisとGRADUALE TRIPLEXでは、最初の3つの音が違っています。Liber Usualisでは、「ミミミミレ」ですが、GRADUALE TRIPLEXでは「ミミファミレ」です。
どっちが正しいの?
と思いますが、時代によって楽譜も若干変わっていくらしいです。
私のLiber Usualisの輸入先はアメリカから、GRADUALE TRIPLEXはグレゴリオ聖歌の先生にお願いしたもので、ドイツからです。きっと、楽譜の種類や国、出典元の楽譜や時期によって違いがあるのかもしれません。
気になる人は、きっと「どれが正しいの?」となるかもしれませんが、私は「ま、その時に歌う楽譜に合わせればいいんじゃない〜?」なんて思っています。