グレゴリオ聖歌|「ラオン」か「ラン」か問題 ─そしてソレムかソレムンか

グレゴリオ聖歌の世界に足を踏み入れて、しばらく経ったある日。
ふとした瞬間に訪れます。

「あれ、この読み方……合ってる?」
私は「ラオン」で覚えた人です
古ネウマの話になると必ず出てくる、あの写本。
Laon(ラオン写本)
私は最初にこれを「ラオン」として教わりました。
なので当然のように、
ラオン派
です。
記事でもずっと「ラオン」と書いているし、
頭の中でも完全に「ラオン」で定着しています。
ところがある時。

「それ、“ラン”ですよ」
と言われる。
いや急にネイティブ来たな?
どうやらフランス語的には、
Laon = ラン
が近いらしい。
「オン」は発音しない。
鼻母音。
カタカナでは再現不能。
……うん、わかる。理屈はわかる。
でも。

ラオンで生きてきた私に、急にランはハードル高い。
どっちが正しいの?問題
結論から言うと、
- 発音として近いのは → ラン
- 日本語的発音は → ラオン
どっちも完全に間違いではない
クラシック界隈あるあるの、
「現地発音 vs 日本語慣用読み」
あれです。
そしてもう一つの沼:ソレム問題
ここで終わらないのが、この世界。
もう一つあります。
Solemn tone
これ、どう読んでます?
ソレム?ソレムン?
- 英語的に読むと → ソレムン(ˈsɒləm)
- 日本語的には → ソレム
私はというと、
ソレムン派です。
最初にそう聞いたから。
つまりどういうことかというと、
- Laon → ラオン
- Solemn → ソレムン
中途半端にリアル寄りと日本語寄りが混ざっている人間です
なので時々こうなります。
「この曲のソレムントーンのラオン写本が…」
……どっちの流派なんだ自分。
そしてこういう人、たぶん私だけじゃないはず。
さらにややこしい:ソレム修道院
ここにもう一つ混ざります。
Solesmes(ソレム修道院)
本来の発音はフランス語で
「ソレーム」に近いらしいのですが、
日本では
ソレム
で通っていることが多い。
つまり何が起きているか
まとめるとこうです。
- Laon
→ ラオン派 vs ラン派 - Solemn
→ ソレム vs ソレムン - Solesmes
→ ソレム vs ソレーム
カタカナにした瞬間、世界が揺れる
結論:最初に覚えたやつが勝つ
正直なところ、この問題。
どの沼から入ったかで決まる
気がします。
- 最初に「ラオン」と聞いた人 → ラオン派
- 最初に「ラン」と聞いた人 → ラン派
そして一度定着したら、
もう戻れない
オタクあるある:読み方にちょっとこだわる
しかもこの問題、面白いのが
- そこまで重要ではない
- でも地味に気になる
- そしてちょっとだけ主張したくなる
という絶妙な立ち位置。
まとめ|どっちでもいいけど、どっちでもよくない
発音として正確なのは確かにあります。
でも、
- 祈りとして歌う
- 読む
- 愛でる
その上では、
通じて、しっくり来ることの方が大事
だったりもします。
私はこれからも、
ラオンで行きます。ソレムンとともに。

読み方で軽く揉めるあたり、
この世界(グレゴリオ聖歌界隈)、やっぱり平和だなと思います。
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