「あ、今年も聖母月終わってた…」〜ロザリオ作家のゆるっとカトリック暦ライフ〜

聖母子のレリーフ

気づけば6月。
スーパーには梅雨対策グッズ、私の心には軽い罪悪感。

「あれ……聖母月、今年も終わってる……?」

——というのが、毎年のように繰り返される、私の初夏の反省会です。

ロザリオ作家という肩書きを掲げつつ、「5月はマリアさまの月だから特別なロザリオを……」と春にはちゃんと思うのです。頭の中では企画もしてるんです。でも、ふと気づくと6月。そして、そっとカレンダーを閉じる私。

いや、心では毎日マリアさまを思ってるのです。ほんとに。たぶん……。

聖母月とロザリオ月って、そもそも何?

5月は聖母マリアに捧げられた「聖母月」10月はロザリオの祈りを特に大切にする「ロザリオ月」です。

カトリック界隈では割とおなじみのこの2大マリア月間ですが、意外と教会であまりアナウンスされないのですよね。
私の通っている土曜夕方ミサでは聞いた覚えがないのですが、もしかして日曜朝ミサでは言ってるのかしら?
それともこれは「信者なら黙って察しておくべき季節行事」なのでしょうか。ちょっと謎です。

それぞれの由来は?

聖母月(5月)は、花の月と呼ばれる5月が、花のように美しいマリアさまと結びついたことから始まりました。
ヨーロッパの春の風習とマリア信心が融合した……なんて説もあるとか。とにかく、花とマリアさまの相性は抜群なのです。

そしてロザリオ月(10月)は、16世紀の「レパントの海戦」での奇跡的勝利が背景にあります。
ロザリオの祈りによって勝利したとされ、10月7日が「ロザリオの聖母の記念日」に。その流れで、10月まるごと「ロザリオ月」となったのです。

要するに:

  • 5月は「花とマリアさま」の優雅な月
  • 10月は「祈りとロザリオ」のガチ祈願月

というわけです。

ところで、「レパントの海戦」って?

ざっくり言うと、16世紀のヨーロッパでキリスト教世界とオスマン帝国がぶつかった、めちゃくちゃ大きな海戦です。

当時、ヨーロッパ諸国は連合艦隊(神聖同盟)を組んで、地中海を支配しつつあったオスマン帝国と対決。
これが1571年の「レパントの海戦」です。

このとき、教皇ピウス5世はロザリオの祈りによる勝利を信じ、すべての信者に祈りを呼びかけたとされています。
そして奇跡的な勝利!

これを受けて「ロザリオのおかげで勝った!」と感謝が広まり、10月7日が「ロザリオの聖母の記念日」に制定されました。
その流れで、10月がロザリオ月になったというわけです。

ロザリオ作家のジレンマ:うっかり季節を逃す

本当はですね、4月のうちに「聖母月に向けての新作ロザリオ!」って発表したいんです。
9月には「秋色ロザリオで祈りを深めて…」って紹介したいんです。

でも、その頃ってなぜか仕事や学校行事(非常勤講師で働いてます)が詰まりがち。デザインの締切も重なる。気づけば「もう6月!?」みたいな
聖母月、今年もお疲れさまでした〜(制作間に合わなかったけど)」って、ひとり打ち上げる日々です。

結びに:来年こそは、きっと……

というわけで、今年も「気づいたら過ぎていた聖母月」を惜しみつつ、この記事を書いております。

でも、こうして思い出すだけでも、マリアさまは優しく微笑んでくださる気がするのです。
きっと、「まあまあ、また来年頑張りなさいな」と。

来年の私は、ちゃんと間に合うように新作ロザリオをばっちり紹介してる……はず!(希望)