カトリックの「告解」、ちゃんと知りたい。成人洗礼あるある視点で解説します

カトリック信者になったばかりの頃、誰もが一度は戸惑うのが「告解(ゆるしの秘跡)」の受け方。
成人してから洗礼を受けた私も、初めての告解はとにかく緊張しました。神父さまの前で何をどう話せばいいの?何を言って、何を言わなくていいの?と、頭の中は「?」だらけ。まさに「成人洗礼あるある」です。
この記事では、そんな私の経験も交えながら、初めてでも安心して告解を受けられるよう、手順と心構えをやさしく解説していきます。
※この記事は、数年前に公開した記事を加筆・再編集したものです。
そもそも告解(ゆるしの秘跡)とは?
告解は、洗礼後に犯してしまった罪を神様の前に正直に告白し、司祭を通して赦しをいただくカトリックの秘跡です。
「なんだか堅苦しいなあ…」と思うかもしれませんが、告解は裁きの場ではなく、神様のいつくしみに包まれる場。日々の生活で心がくもってしまったと感じたとき、神様のもとに立ち返るための温かい手段なのです。
実際、私自身も「告解する」となると「ちゃんと告解できるかな」とそわそわします。
何度やっても緊張するし、形式を忘れがち。でも、それでいいんです。
心を込めて神様のもとに戻っていこうとするその気持ちこそが、大切なのだと思います。
成人洗礼あるある:初めての告解は「マニュアルが欲しい!」
私が洗礼を受けたのはクリスマス。そしてすぐに四旬節がやってきて、「次は告解だよ」と言われました。
え、それどうやってやるの?
周りのベテラン信者さんに聞いてみても、「部屋に入って罪を言えばいいのよ〜」と、さらっとした返事。
…え、それだけ?どうやって入るの?何から言えばいいの?
あの「小さな部屋」に入るだけで(いえ、入る前から)、心臓バクバクでした。
私が最初に神父様に言った言葉は、「洗礼を受けてから初めての告解で、何も分からないのですが…」でした^^;
実際のところ、日本の教会では洗礼前に告解の説明を丁寧にしてくれるところと、そうでないところがあります。
ネットで検索しても情報が断片的で混乱…。
私は当時、「誰か“正解ルート”を教えて!」と真剣に思っていました。
結局、私は別の教会の勉強会で「告解のお作法がよくわからない」と言ったら、神父様がリハーサルをしてくれて、ようやく「こうやってやるのか!」と分かったのでした。
それでもたまーにしか行かない私は、毎回「やり方、どうだったっけ?」とおさらいが必要です。
告解室ってどんなところ?
まずは、入るのも緊張する告解部屋。
最初は、どこに入ればいいの?ってなります。
一般的な告解室は、神父様が真ん中の小部屋に入り、両サイドに信者が入るタイプ。左右交互に告解を行うので、片側が終わるまでは待機となります。
壁にある小さな小窓が閉まっていれば、まだ順番が来ていないというサイン。
待機中は、落ち着いて心を整える時間です。部屋の中にはたいてい「告解の手順」や「悔い改めの祈りの文」などが置かれていますので、それを見て準備しておきましょう。
告解の流れ(ざっくり)
教会や神父さまによって多少異なりますが、おおまかには以下のような流れです。
1. 部屋に入り、ひざまずいて順番を待ちます
椅子がある場合もあります。だいたい静かなので、自然と気持ちも整います
2. 小窓が開き、司祭の言葉で始まります
司祭:「神のいつくしみに信頼して、あなたの罪を告白してください」
このひとことで、ちょっと安心できるはず。
3. 「前回の告解は○○でした」と伝える
初めての場合は、
「初めての告解です」
とだけ伝えればOKです。
4. 罪を告白します
「こんなこと言っていいのかな?」と不安になるかもしれませんが、神父さまは驚きません(たぶん)。
成人洗礼あるあるですが、「罪ってどこからが罪なの?」と迷いがちですよね。
最初は、
「こういうことをしてしまって、気になっています」
というふうに、感じたままを伝えれば大丈夫です。
告白の最後には、こう締めくくります:
「今日までの主な罪を告白しました。ゆるしをお願いします」
5. 神父さまから助言やアドバイスをいただく
ときには優しい言葉、ときにはズバッと心に刺さる一言があることも。
まるで霊的コーチング。
不思議と「話してよかった」と思える瞬間が訪れます。
6. 償いの内容を伝えられます
たとえば:
「主の祈りを3回唱えましょう」
「帰ったら10分間、神様に感謝してみましょう」
など、そのときに応じた内容です。
7. 司祭から赦しの祈りと赦しの言葉を受けます
司祭:「わたしは父と子と聖霊の御名によって、あなたの罪をゆるします」
このとき、次のように答えます:
「アーメン」
さらに司祭から:
「神に立ち返り、罪を許された人は幸せです。ご安心ください」
と言っていただいたら、
「ありがとうございます」
とお礼を言って、静かに部屋を後にします。
初めての告解は、どうしても緊張するもの。
でも終わってみると、「これでよかったんだ」とホッとする体験になることがほとんどです。
部屋を出たら、感謝のお祈りと指示された償いも忘れずに^^
告解で「何を言えばいいの?」と迷ったら
「人に迷惑をかけた」「悪口を言った」「誰かを無視してしまった」……
それって、告解で話していいのかな?
はい、もちろんです。
「罪」という言葉に身構えてしまうかもしれませんが、心に引っかかっていること、後悔していること、神様に正直になりたいと思うことがあれば、それを言葉にしてみましょう。
毎日を生きていると、イライラしたり、サボってしまったり、人に優しくできなかったり…。
そうした日々の「つまずき」を、神様の前でそっと打ち明ける時間が、告解なのです。
おわりに:失敗しても大丈夫。神様は待っておられます
告解は、完璧にこなすことが目的ではありません。
何よりも大切なのは、神様のもとに戻りたいという気持ちです。
もしあなたが「やってみたいけど、なかなか勇気がいる」と思っているなら、一歩踏み出してみてください。神様は、そんなあなたを、やさしく迎えてくださいます。
とりあえず、私の次回の告解は「長い間告解をサボっていました」です^^;
おまけ:おすすめの「告解手順」参考アイテム
- カトリック手帳(各年のミサ、祈り、告解の流れなど掲載)
- 教会内の手順メモ(告解室内に置いてある場合が多い)
- ゆるしの秘跡についてまとめた小冊子(書店や教会で手に入ることも)