ご聖体拝領、どうすればいいの?〜戸惑いから始まるカトリックの第一歩〜

カトリックのミサに参加すると、いよいよその瞬間がやってきます。
そう、「ご聖体拝領」です。
ミサのクライマックスのような、でも実はよくわかっていない……
洗礼を受けたばかりの頃、私が緊張した場面のひとつでした。
最近アクセス解析を見るようになって気づいたのですが、
「聖体拝領 やりかた」などのキーワードで、このサイトを訪れてくれる方がけっこういらっしゃるようです。
きっと、はじめてご聖体を受ける前の不安や戸惑いがあるのだろうなあ、と感じて、
今回は、過去に書いた内容をすこしアップデートして、書き直してみることにしました。
手で受ける人、口で受ける人。
もらったらすぐ口に入れる人、何やら祈ってからいただく人。
え、ルールは?どれが正解??
今回は、そんな初心者の「ご聖体って何?」「どうやって拝領すればいいの?」という疑問を、かつての私を思い出しながらお話しします。
- かつての私がご聖体拝領で戸惑ったことやアクシデントなどを書いた記事はこちら→ カトリック ご聖体拝領のお作法、どうすればいいの?
ご聖体ってなに?
カトリックのミサで見かける、あの白くて丸いパン。
一見すると、ただのパンのように見えますよね。でも、ご聖体は単なるパンではありません。
カトリックの教えでは、ミサの中で「聖変化(せいへんか)」という神秘的な出来事が起こります。
神父様の祈りと祝福のもと、見た目は変わらなくても、このパンはイエス・キリストのからだそのものに変わると信じられているのです。
この「聖変化」は、見た目や味は変わらなくても、パンの本質がキリストのからだに変わるという意味。
つまり、私たちの目には普通のパンに見えても、信仰の目で見ると「本物のご聖体」なのです。
ご聖体のパンは特別な無発酵パン
ご聖体拝領のパンは、普段食べるふわふわのパンケーキや食パンとは全く違います。
「無発酵パン(種なしパン)」と呼ばれるもので、小麦粉と水だけを使い、イースト菌(発酵させる菌)は使いません。
これは、イエス・キリストが最後の晩餐で使われたパンの伝統を受け継いでいるからです。
そのため、塩味もなく、薄くパリッと焼き上げられていて、食感はどちらかと言うとクラッカーに近いかもしれません。
ご聖体のパンってどんな味?
信者でない方から「どんな味がするの?」と聞かれることがあります。
私はいつも、「塩味のない海老満月みたいな感じ」と答えています(笑)
実際には、製造元によって少し味やパリパリ感に違いがあって、梅雨時期には湿気ってしまうことも。
でも、パリッと香ばしいご聖体だと、ちょっと嬉しくなってしまいます。
「今日のご聖体ちょっと湿気ってたね」とか「今日のご聖体いつもと味が違う」なんて会話が、ミサの後にあったりします^^
カトリックとプロテスタント、何が違うの?
ご聖体拝領に似た儀式は、プロテスタント教会にもあります。
それが「聖餐式(せいさんしき)」と呼ばれるものです。
ただし、ここで大きな違いが。
プロテスタントでは、パンとぶどうジュース(またはワイン)は「キリストの象徴」としていただきます。
つまり、「キリストのからだそのもの」ではなく、あくまでその意味を込めてのものなんです。
カトリックでは、あのパンは聖変化によってイエス・キリストのからだそのものに変わると信じています。
この神学的な違いが、同じように見える儀式でも全く異なる理解を生み出しているのですね。
ご聖体拝領の作法、どうするの?
信者以外はいただけません
まず大切なポイントは、洗礼を受けたカトリック信者だけがご聖体を拝領できるということ。
洗礼前の方や他の宗派の方は、残念ながらご聖体をいただくことはできません。
でも大丈夫!
信者でなくても、一緒に列に並んで「祝福をお願いします」と伝えたり、手を合わせて頭を下げることで祝福を受けることができます。
(教会によって対応は少し違うかもしれませんので、近くの方に相談してみてくださいね。)
手で受ける?口で受ける?
日本では、今はほとんどの教会で手で受ける方法が主流になっています。
拝領の流れはこんな感じ:
- 両手を胸の高さで手を重ねて出します
(どちらの手を上にしてもOKですが、私は左手を上にしています) - 神父様が「キリストの御体」と言いますので「アーメン」と答えます。
上になった手のひらにご聖体を乗せてくれます。
※この時に「アーメン」と答えないと信者ではないと思われますので忘れないようにしましょう。 - すぐにその場で口に入れていただく
もちろん、直接口でいただく方法も認められています。
でもコロナ禍以降は、多くの教会で「手で受けてください」とお願いされることが多いです。
ご聖体はその場でいただくのがルール
拝領したご聖体は、必ずその場でいただくことが決まりです。
席に持ち帰ったり、ポケットに入れたりするのはNG。
まれに観光で来られた方が「記念に…」と持ち帰ってしまうトラブルもあるので、侍者や係の方が慌てて追いかけることもあります(笑)
噛んでもいいの?
ここも気になるポイントですよね。
「キリストのからだを噛むなんてバチ当たりじゃない?」と思って、私は昔、溶かすだけで噛まなかったのです。
でも安心してください!
神父様だって普通に「バリッ」と噛んでいますから(笑)
もちろん噛まない方もいますし、地域や世代によって違いがあるかもしれません。
でも、噛んでも全然問題ありません。
まとめ:最初は戸惑って当然。でも大丈夫。
ご聖体拝領は、最初は誰でも戸惑います。
ミサの中でもとても神聖な場面ですし、人それぞれ受け方も違うので、迷うのは自然なこと。
でも大切なのは、「敬意を持って受けること」です。
お作法はもちろん大切ですが、それ以上に大事なのは、心の中で「この方はキリストなんだ」という信仰を持つことなんですね。
最初は「どっちの手で受けるんだっけ?」「噛んでもいいのかな?」なんて戸惑うかもしれません。
でも、回数を重ねるうちに自然と身についていきます。