カトリック教会 信者じゃなくても結婚式ができるってホント?

「結婚式は教会で!」という憧れを持っている方は多いと思います。白いドレスにバージンロード、ステンドグラスから差し込む光…まさに映画やドラマの世界ですよね。

でもここでひとつ大事なポイント。実は、世界中どこのカトリック教会でも、信者ではない人が結婚式をできるわけではないのです。

ではなぜ、日本のカトリック教会では、信者でなくても結婚式ができるのか?
実はこれ、日本だけの特例なのです。

特例のはじまり

1975年3月1日、バチカン(教皇庁)から日本のカトリック教会に特別な許可が出されました。
その内容は「信者でないカップルでも、カトリック教会で結婚式を挙げられるようにしてよい」というもの。

世界的に見てもレア中のレア。カトリックの歴史の中で、ちょっとした「日本スペシャル措置」なのです。

どうして特例がでたの?

なぜそんな許可が出たかというと、日本におけるカトリック信者の割合はごくわずかだから。
人生の大イベントである結婚式を通して、教会に足を運び、キリスト教に触れる機会を提供するのが目的です。

言ってみれば、結婚式は「宣教の入り口」。
お二人の新しい人生の門出と同時に、教会との出会いのきっかけでもあるのです。

結婚式を挙げるための条件

もちろん「誰でもウェルカム!」というわけではありません。いくつかの条件があります。

  • 結婚講座の受講
    挙式を希望するカップルは、事前に教会の「結婚講座」を受ける必要があります。
    これは「結婚って、人生の中でどういう意味を持つのか」「カトリックの結婚観とは」などを学ぶ時間。
    ちょっとしたプレ花嫁・花婿スクールです。
    私の所属教会では信者もそうでない人も週に一度の結婚講座を6ヶ月受けるそうです。
  • ミサの妨げにならないこと
    教会はあくまでも祈りの場。ミサの時間を妨げないよう、結婚式の日程や時間は調整されます。
  • 初婚であること
    カトリック教会は「結婚は生涯に一度」という考え方。
    死別を除き、離婚後の再婚は原則NGです。(該当する場合は最初に神父様に相談してみてください)

世界との違い

通常、世界のカトリック教会では、新郎新婦のどちらかがカトリック信者でなければ挙式できません。
ですから、日本の「信者でなくてもOK」という対応はかなり異例。

言ってみれば、日本のカトリック教会は「世界的に見てもユニークな門戸の広さ」を誇っているわけです。

でも注意!教会は結婚式場ではありません

ここで大事なのが、教会は営利目的の結婚式場ではないということ。
「ロマンチックな聖堂で結婚式したいから!」という軽い理由だけで門を叩くと、神父さまにやんわりと諭されるかもしれません。

式を挙げるには献金(教会ごとに金額が異なる)やルールがあるのも特徴です。
ドレスと花束のレンタルプラン付き…みたいなブライダルフェア的サービスは、当然ながらありません。

ちょっと補足

カトリック教会での結婚式は、教会が直接すべてを準備してくれるわけではありません。場合によっては、衣装レンタルや披露宴会場、事務手続きをまとめて担当してくれるブライダル業者と提携しているところもあります。

教会によっては「その業者を通さないと結婚式ができない」という仕組みだったり、逆に「自分たちで準備してください」というケースもあります。

ですので、もしカトリック教会で結婚式を考えている場合は、まずその教会に直接相談してみるのがおすすめです。提携先があるなら案内してもらえますし、ない場合は自分たちで衣装や会食の手配をすることになります。

まとめ

  • 日本のカトリック教会で信者でなくても結婚式ができるのは、1975年からのバチカンの特例のおかげ。
  • 目的は「結婚式を通して、教会や信仰に触れてもらうこと」。
  • 条件としては結婚講座の受講、初婚であること、ミサを妨げないことなど。
  • 世界的に見ても非常に珍しい、日本だけの措置。

つまり、「本物の教会で、伝統あるミサの中で誓いを立てたい」と思うカップルには、実はとても特別な選択肢なのです。