カトリックとプロテスタント、ここが違う!まとめてみました

教会での雑談中、ちょっと驚いたことがあります。
それは、案外「カトリックとプロテスタントの違い」を詳しく知らない方が多い、ということ。
ベテラン信者さんほど、特に子供の頃からカトリックという方の場合、他の宗派や宗教について知る必要がなかったからかもしれません。
私の実家の宗教は浄土真宗大谷派ですが、「熱心な仏教徒」を自負する叔父も他の宗派のことを、あまり知らないようです。
特にキリスト教でない方には「同じキリスト教なんだからほぼ一緒でしょ?」と思われがちですが、実際にはミサ(礼拝)の形や考え方にいろいろと違いがあります。
今回は、ざっくりとした違いを信者ではない方にもわかりやすく、まとめ形式でご紹介します。
十字架のイエス様の有無
- カトリック … 十字架には磔にされたイエス様(クルシフィックス)がついています。
→ 苦しみと救いをしっかり目に見える形で示す伝統。 - プロテスタント … 十字架のみ。イエス様はいません。
→ 「復活後のキリスト」を強調する考えから。
💡 ドラマあるある
テレビドラマで「神父さん」と呼ばれているのに、背後の十字架にはイエス様がいない……なんてシーン、信者なら思わずツッコミたくなります(笑)。
マリア様への信心
- カトリック … マリア様を「神の母」として敬い、祈りの取り次ぎを願います。ロザリオもその代表格。
- プロテスタント … 信仰の対象はあくまでイエス・キリスト。マリア様は尊敬されますが祈りの対象にはしません。
- 例外:聖公会(アングリカン・チャーチ)
カトリック寄りの伝統を持つ教会もあり、マリア様への祈りや、カトリック式のロザリオを取り入れる場合も。聖公会独自のロザリオもあります。
ご聖体(聖餐式・聖体拝領)の考え方
- カトリック … パンとぶどう酒はミサの中で「キリストの御からだと御血に変わる」と信じられています(実体変化)。
- プロテスタント … 多くの教派では「象徴」として受け取ります。必ず毎回行うわけではなく、月1回や特別な日に行うことも。
- 言い方の違い
カトリック → 「聖体拝領」
プロテスタント → 「聖餐式」
礼拝とミサ
- カトリック … 「ミサ」と呼び、典礼書に沿った形で行います。
- プロテスタント … 「礼拝」と呼び、牧師によって形式や内容がかなり自由。説教が中心です。
神父と牧師の違い
- カトリック … 「神父(司祭)」と呼ばれます。
- プロテスタント … 「牧師」と呼ばれます。
💡 実は結婚式場の牧師さんは本物じゃない?
ちなみにキリスト教式の結婚式を行う「結婚式場の牧師さん」は本物の牧師さんではなく牧師さんを演じる「結婚式の牧師」が多いようです。プロテスタント教会の「本物の牧師さん」がしてくれるところもあるそうですが、レアケースらしいです。以前、履歴書の職歴欄に『結婚式の牧師』書いていた外国人を、実際に見たことがあります。日本ならではのお仕事ですね…。
ロザリオの有無
- カトリック … 定番のお祈りの道具。マリア様を通してイエス様に祈ります。
- プロテスタント … 基本的に使いません。ただし先ほど触れたように、聖公会などでは独自のロザリオがあります。
まとめ
カトリックとプロテスタントは、同じ「キリスト教」の大きな家族の中にある二つの流れ。
十字架、マリア様、ご聖体、礼拝のスタイル……一つ一つの違いには、それぞれ大切な意味や歴史があります。
違いを知ると「なるほど!」と同時に、自分の信仰への理解も深まる気がします。
ちなみに、キリスト教にはカトリックとプロテスタントともうひとつ、正教会(東方教会)があります。この3つがキリスト教の3大宗派です。


