カトリックあるある 番外編|香炉と立ち座りの罠

「神よ、私を清め給え」…の前に、まずは咳を止めてください。
ミサには神聖な雰囲気と厳かな流れがありますが、それと同じくらい、予期せぬハプニングも潜んでいます。
特に香炉の煙と立ち座りのタイミング。この二つの罠に、私は何度も引っかかってきました。今日は、その“ミサ・サバイバル術”をお届けします。
お香サバイバル
復活祭やクリスマスなど、大きな祝日のミサでは「献香(けんこう)」と呼ばれる儀式があります。
香炉に香を焚き、祭壇や聖書、司祭、会衆を香でくゆらせて神への祈りを象徴するものです。旧約聖書にも登場する由緒正しい儀式で、カトリックに限らず正教会や一部のプロテスタントでも行われます。
このお香の香り、私は結構好きです。重厚で神秘的で、テンションもぐっと上がります。
…が、困ったことに、テンションが上がる前にむせて歌えなくなるのです。
そんな私の運命を告げる合図は、いつもこうしてやってきます。

献香です。みなさんお立ちください

…はい、息止めまーす
———もくもくもくもく(香炉の煙エフェクト)

(私の肺)異議あり!!!
ケホッ…ゴホッ…(声、終了)
歌おうと口開いた瞬間、
「あ、詰んだ」の悟り。
結果、曲中ほぼ口パク。ミュージカル風でごまかす。
勝手に盛り上がる罠
歌い慣れた曲=油断大敵。
特に同じ言葉が繰り返される聖歌は要注意!
頭の中では別のことを考えつつ歌ってたら、
突然スイッチ入ってひとり感情爆発。

いま盛り上がるとこじゃなかったァァァ!
しかも声デカめの自覚アリ。
間違えると完全にソロデビュー状態。
同じタイミングで間違えた人を見つけると、目で「同志!」と握手。
立ち座り迷子
奉納〜聖変化のあたり、未だに「あれ?座る?立つ?」が発動。
しかも一番前で結構集中して歌ってた時に後ろを振り返ると…

あれ?全員座ってる……
さらに近年の式次第改訂で旧バージョンが脳内リピート再生。
口から旧詞が飛び出して「あ…」と内心土下座。
気づけば10年経ってもまだ迷子。
たぶん、私の脳内式次第は一生ベータ版のままです。


