カトリック アシジの聖フランシスコ 平和の祈り

この時期によく読まれたり歌われるお祈りの一つはアシジの聖フランシスコの「平和の祈り」ではないでしょうか?私の所属教会でも、先日のミサで歌われたばかりです。

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平和の祈り

この祈りには色々な訳があるのですが、私のお気に入りの本『フランシスコの祈り』に掲載されているものを引用します。

平和の祈り
主よ、私を平和の道具とさせてください
わたしに もたらさせてください……
憎しみのあるところに愛を、
罪のあるところに赦しを、
争いのあるところに一致を、
誤りのあるところに真理を、
疑いのあるところに信仰を、
絶望のあるところに希望を、
闇のあるところに光を、
悲しみのあるところには喜びを。

ああ、主よ、わたしに求めさせてください……
慰められることよりも慰めることを、
理解されることよりも理解することを、
愛されることよりも愛することを。

人は自分を捨ててこそ、それを受け、
自分を忘れてこそ、自分を見いだし、
赦してこそ、赦され、
死んでこそ、永遠の命に復活するからです。

『フランシスコの祈り』石井健五編訳 より

私も大好きなこの祈りは、実はフランシスコ自身が作ったものではありません。彼の生き方や精神がよく表された祈りで、フランシスコはこの祈りを書いてはいませんが、この『平和の祈り』を生きた人だと言われています。

アシジの美しい風景が納められたお気に入りの本

『平和の祈り』の作者は誰?

この祈りが最初に発表されたのは、1912年フランスのカトリック信徒団体「聖ミサ連盟」の月次報告書『鈴(Le Clochette)』の中でした。「Belle prière à faire pendant la Messe(ミサにおける美しい祈り)」として無署名で発表されました。
作者はこの報告書の編集者であったブクレル神父ではないかとも言われていますが、それを裏付けるものはありません。

そして、翌1913年に、ノルマンディー地方の『平和の聖母』という信徒団体の年報に掲載され、1916年に教皇庁の機関紙"Osservatore Romano"で公認されました。
それをきっかけに、この祈りは世界に広まっていきました。フランシスコ会でもこの祈りは愛され、聖フランシスコの御絵の裏に、この祈りが印刷され広く配られたようです。そこに印刷された祈りが聖フランシスコのものだとは書かれていませんでしたが、それが聖フランシスコのものだと誤解が生じても仕方がなかったのではないでしょうか。

その後、世界は世界大戦に突入し、第二次世界大戦が終わった1945年、国連が誕生したサンフランシスコ会議で、アメリカ人のトム・コナリー上院議員がこの『平和の祈り』を読み上げたと言われています。

この祈りの原文はフランス語ですが、イタリア語に翻訳されたあとに、またそのイタリア語をフランス語に逆翻訳された経緯もあり、この『平和の祈り』には60近くのバージョンがあるらしいです。

平和の祈り オリジナル版

『平和の祈り』のオリジナル、"La clochette" に掲載されたフランス語の祈祷文

Belle Prière à faire pendent la Messe

Seigneur, faites de moi un instrument de votre paix.
Là où il y a de la haine, que je mette l’amour.
Là où il y a l’offense, que je mette le pardon.
Là où il y a la discorde, que je mette l’union.
Là où il y a l’erreur, que je mette la vérité.
Là où il y a le doute, que je mette la foi.
Là où il y a le désespoir, que je mette l’espérance.
Là où il y a les ténèbres, que je mette votre lumière.
Là où il y a la tristesse, que je mette la joie.
O Maître, que je ne cherche pas tant à être consolé qu’à consoler, à être compris qu’à comprendre, à être aimé qu’à aimer, car c’est en donnant qu’on reçoit, c’est en s’oubliant qu’on trouve, c’est en pardonnant qu’on est pardonné, c’est en mourant qu’on ressuscite à l’éternelle vie.

平和の祈り 英語バージョン

Prayer of St. Francis of Assisi

Lord, make me an instrument of your peace.
Where there is hatred, let me sow love;
where there is injury, pardon;
where there is doubt, faith;
where there is despair, hope;
where there is darkness, light;
and where there is sadness, joy.

O Divine Master, grant that I may not so much seek
to be consoled as to console;
to be understood as to understand;
to be loved as to love.
For it is in giving that we receive;
it is in pardoning that we are pardoned;
and it is in dying that we

are born to eternal life.
Amen

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